3500-13-12-2-1

ツーリングの記録等に使おうと思っていたが。。。タイトルは最初の記事の3500km, 13日, 12ヶ国, 自動二輪, 空冷単気筒の意。

過去の尻拭いなど

クジラのウンコを集める
http://www.popsci.com/scitech/article/2007-06/worst-jobs-science-2007
2007年科学のワーストジョブ第10位にランクインしたのが反捕鯨の急先鋒、Nick Gales博士のチームでした。他には犯罪昆虫学や選手のオシッコを検査し続けるドーピングテストのようなきちゃない仕事などがあげられています。「ワースト」と言っても科学的価値云々ではなく、奇妙さやハードさの観点からの評価です。

Galesさん公式サイト
http://www.aad.gov.au/default.asp?casid=12935

クジラ調査の基本について
http://www.aad.gov.au/default.asp?casid=5978

糞サンプルの分子遺伝学的解析
http://www.aad.gov.au/default.asp?casid=27532

Galesさんが関わった論文で、上記の分子遺伝学的手法が使われているのは

Group-specific polymerase chain reaction for DNA-based analysis of species diversity and identity in dietary samples
Jarman et al., Molecular Ecology 13: 1313–1322 (2004)

A DNA-based method for identification of krill species and its application to analysing the diet of marine vertebrate predators
Jarman et al., Molecular Ecology 11: 2679-2690 (2002)

などです。糞サンプルを採取してPCRをかければクジラの個体情報と食性がある程度わかる、と言えば分子生物学の心得のある人間なら何となくわかるんじゃないでしょうか。コンタミ(この場合、試料の汚染や混交により本来食っていないものがヒットしてしまうこと。別の例では珍渦虫の衝撃参照。マジ笑える)がどの程度あるのかわかりませんが。非致死性調査は絶滅危惧種にも応用できる点、将来性のある手法です。他の方法と組み合わせて、直接的な被食・捕食の関係をどこまで明らかにできるかが課題でしょう。

一方、鯨研の出版リストから胃の内容物調査や食性調査に関係ありそうなものをピックアップしてみると

Distribution of Antarctic krill concentrations exploited by Japanese krill trawlers and minke whales. Ichii, Proceedings of the NIPR Symposium on Polar Biology 3: 36-56 (1990)

Food and daily food consumption of southern minke whales in the Antarctic.
Ichii and Kato, Polar Biology 11: 479-487 (1991)

Analysis of selenium metabolites in urine samples of minke whale (Balaenoptera acutorostrata) using ion exchange chromatography.
Hasunuma et al., Comparative Biochemistry and Physiology 104C (1): 87-89 (1993)

以前には気がつきませんでしたが、注意してみるといくつかありますな。しかし苦労してウンコを集める方法に比べて、手っ取り早く殺して胃の中身を見る方法の利点はなんなんでしょうか(手っ取り早い以外に)。梅崎大先生の講演の中で北西太平洋での調査捕鯨の様子にふれられていますが、毎年数百頭の規模でやる必然性が感じられません。森下さんの論文では胃の内容物調査の科学的成果はほとんど説明されていません。下に抜粋する通り「クジラは商業的に重要な魚を大量に消費している」と言っていますが、

An emerging issue in the science of whales is the role of whales in the ecosystem. When stomach contents were analyzed as part of the scientific whaling programs, it was found that baleen whales eat a large amount of commercially important fish [7]. Clearly, when conservation requires a reduction in fishing effort or the number of fishing vessels in order to realize the recovery of fishery resources, we need to consider whether the consumption of these resources by whales undermines such efforts. Fisheries management organizations including the United Nations FAO are increasingly expressing the need for an ecosystem approach to fisheries management [8].


勝川さんのブログを一通り見たあとでは、漁業管理失敗の責任をクジラになすり付けてごま化しているとさえ思えてきます。ゲスの勘ぐりですが。さらにWalloeさんが大量捕殺の理由についてコメントできなかったのと合わせるとやはり疑問ですな。シロナガスクジラの捕殺でもやってその意義を専門家に問うてくれれば面白いんですが。野球は試合より乱闘の方が面白いと思う外野としては。

過去記事の訂正 

モラトリアム異議申し立てについて
http://3500131221.blog120.fc2.com/blog-entry-28.html
異議申し立て撤回の後、再度異議申し立てすることは出来ないようです。まぁ、どうであれ、商業捕鯨再開はかけ声だけ、というのが現実でしょう。

加藤先生について
http://3500131221.blog120.fc2.com/blog-entry-29.html
「科学的には捕鯨は再開可能」という言葉に私は勝手ながら『経済的に成り立つかどうかは俺ゃ知らね』というニュアンスを感じていたのですが、深読みしすぎでした。グリーンピースの番組に出たりしているので捕鯨推進派というわけではなく中立的な人かと思っていましたが、シロナガスーミンク競合説についてはかなり自信がおありのようです。ただ、ご本人もおっしゃるとおり「逆もまた真」を証明する必要があります(下のpdfファイル参照)。クロミンククジラ(だけ)を大量に捕殺して胃の内容物を調べたとして、それが競合説の検証にどの程度寄与するか甚だ疑問なのですが。
www.fish.hokudai.ac.jp/news/open/2006/gif/060913-04.pdf

http://www.e-kujira.or.jp/topic/lec/05/1114/index.html

「シロナガスクジラは,ミンククジラとほぼ同じ海域に生息しています。しかしミンクの生息数は76万頭。シロナガスは1000頭ほど。エサの競合が起きており,ミンクは増えているがシロナガスは減っているのです」


??むー、事実なのかいな。この説に疑問を呈する専門家も多くいる、というのもまた事実なのですが。クロミンククジラの鯨体がやせつつあるとか言う論文が鯨研から最近出ましたが、シロナガスが何を食っていて、皮下脂肪の厚さがどうなっているのかをどうやって調べてるのでしょうか。最大の哺乳類であるシロナガスクジラは成長も繁殖も遅いので、乱獲後10年や20年では回復が見られないのは当然とも思えますが。
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テーマ:捕鯨・反捕鯨問題 - ジャンル:政治・経済

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