3500-13-12-2-1

ツーリングの記録等に使おうと思っていたが。。。タイトルは最初の記事の3500km, 13日, 12ヶ国, 自動二輪, 空冷単気筒の意。

魅惑の鯨文化

第2回PEW鯨類シンポジウム速報 より
日本語版

粕谷氏は小型鯨類の漁業は中止すべきであると論じたが、その根拠として、現行の管理体制では透明性が欠如していること、検査および統計データが不十分であること、漁業方式が社会構造やクジラに係る文化的多様性を損ねるものであるということ、また安全なハクジラの管理体制というものは存在しないからという点を挙げた。


英語版

Kasuya argued that small cetaceans fisheries should be abandoned, since: current management lacks transparency; inspection and statistics are insufficient; fisheries methods harm the social structure and cultural diversity of whales; and there is no safe management system for toothed whales.


 ずっと日本語版しか眺めていなかったのですが、英語版とならべてみると意味するところに違いがあるような気がします。もともと鯨類シンポジウム速報は発言が非常に圧縮されており、解釈に苦しむ部分があります。日本語版の「漁業方式が社会構造やクジラに係る文化的多様性を損ねるものである」という部分、最初はよく理解できなかったのですが、マスメディアを介した捕鯨伝統文化論の構築をいくつかの文献ではっきり認識するにつれ、粕谷先生は「日本人が本来持っていた多様な鯨文化(食用にするだけでなく沖の神として捕殺を禁忌とするなど)が損なわれている」ということを言っているのかと思うようになりました。しかし、英語版をみると「fisheries methods harm the social structure and cultural diversity of whales(漁業方式はクジラの社会構造と文化的多様性を害する)」と、人間の社会・文化ではなくクジラのそれを指していると解釈できます。

 実際、現在沿岸小型捕鯨の対象となっているツチクジラについて水産庁の資料を見てみると、
(www.jfa.maff.go.jp/kokushi_hp/H14genkyou/H14syosai/39BBW-WPac.pdf )

捕獲物の最高年齢は、雄で84 歳、雌で54 歳と推定されており、雌より雄の方が小さく(ハクジラ類は、雄の方が大きくなる種の方が多い)、雄の方が30 年近く長生きする(成熟個体の性比は雄に偏る)という特異な生物学的特性を有することが知られている(Kasuya et al. 1997)。これらの特性から、本種の社会構造は、雄が育児に貢献するというきわめて特異なものである可能性が示唆されている(Kasuya 1995)


とあり、捕鯨管理方式であるRMPについても

複雑な社会構造を有するハクジラ類に同モデルをそのまま適用することには慎重を要する


とコメントされています。どうやら粕谷先生は一貫して専門家として生物学的観点から捕鯨に反対しているようです。クジラの社会や文化についてはいくつか報告があります。

Scott Bakerさんがお話してくれますが、クジラの文化についてもふれています
http://www.bbc.co.uk/radio4/worldonthemove/reports/mysteries-of-humpback-migration/
 
論文ではこのようなものがあるようです。鯨研の興味の対象ではないでしょうが。
Culture in whales and dolphins
Behavioral and Brain Sciences 24: 309-324 (2001)
Rendell and Whitehead

Cultural Selection and Genetic Diversity in Matrilineal Whales
Science 282: 1708 - 1711 (1998)
Whitehead

Dialect change in resident killer whales: implications for vocal learning and cultural transmission
Animal Behaviour 60: 629-638 (2000)
Deecke et al.

 まぁ、こういった研究が「クジラは頭がいい」という通俗的解釈の源なのでしょう。近頃私は思想を先鋭化させており、科学でも文化でも話にならない日本の捕鯨は完全に廃止するべきと考えるようになりました。畢竟、私が捕鯨に反対するのは推進派の言っていることが自然科学的にも実証的歴史科学的にも間違っているから、ということになります。たしかに昔は捕鯨賛成でしたが、ここまでデタラメぶりを見せつけられては食う気も失せました。アイヌの文化を否定し、ヨーロッパウナギを食い尽くした日本人が反省するそぶりもなくやれ調査だやれ文化だとクジラを食うのはもはや犯罪なんじゃないかと思ったりwww

 まぁ、アイルランド提案実現の方向で日本を含めた各国がまとまるんならそれでいいと思いますが。勿論、捕鯨反対「本格派」を名乗り「沿岸捕鯨を認めたGPの日和見主義弾劾」とか「日帝の走狗共産党および革マル派を殲滅せよ」などとも申しません。GPはともかく、共産党と革マル派は我が本格派の本格的学術分析によって既に完全殲滅されているからです。
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テーマ:捕鯨・反捕鯨問題 - ジャンル:政治・経済

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