3500-13-12-2-1

ツーリングの記録等に使おうと思っていたが。。。タイトルは最初の記事の3500km, 13日, 12ヶ国, 自動二輪, 空冷単気筒の意。

ガンダム風に

 すばらしい。論文がダウンロードできるようになっている!完全日本語訳もある!

「石井・大久保論文が和訳完成の暁は捕鯨推進派なぞあっという間に叩いてみせるわ」

http://www2s.biglobe.ne.jp/~stars/profile-page.htm
An Alternative Explanation of Japan’s Whaling Diplomacy in the Post-Moratorium Era
「日本の捕鯨外交を問い直す:商業捕鯨モラトリアム以降の外交目的と実態の乖離」
Ishii & Okubo, Journal of International Wildlife Law and Policy 10: 55-87 (2007)

 上の論文とGPJ事務局長の星川氏による「日本はなぜ世界で一番クジラを殺すのか」 (幻冬舎新書)を読んで思ったことなど。

 論文の中で、「日本は捕鯨禁止という国際規範を拒絶するために文化的相違の議論を構築したのであって、その逆ではない」と指摘されています。星川氏の本でも同様の指摘がなされており、実際に宣伝を担当した広告会社の内部資料が引用されています。現在の、捕鯨を日本の文化として論じる風潮が連綿と続いてきたものであるなら1972年のモラトリアム提案直後に蜂の巣をつついたように文化文化の大連呼があってしかるべきですが、実際にはそのようなことは無く、数年のタイムラグを経て捕鯨文化論がわき起こって来たことが論文の中で示されています(もし仮に、インド・中国・スウェーデンが連名でカレー・ラーメン・バイキング料理を廃止するよう日本に通告してきたら直後にどえらい騒ぎになるでしょうな。歴史は浅いとはいえ、これらは相当になじみ深い食文化です)。ちなみに1975年の時点で鯨肉が日本人の動物性タンパク質消費に占める割合は1.7%だったそうで。考えてみれば「捕鯨は日本の文化だ」というとき、それは捕鯨に反対する意見へのカウンターとして繰り出されることが大半ではないでしょうか。何のことは無い、広告屋の宣伝に踊らされていただけなのです。

「認めたくないものだな、自分自身の、バカさ故のあやまちというものを」

 沖縄の在日米軍基地なんかは実にけしからん問題でありますが、沖縄の経済が米軍基地に依拠している現実があるため、「米軍基地撤去」という主張に対してはたちどころに現実論が語られるのです。また、日米安保条約など、二国間の関係にかなり影響する議題です。こうした問題に比べ、星川氏が「コップの中の嵐」と形容する捕鯨問題ですが、その特異性は「南極で捕鯨をやっている産業が存在しない(やる意思を持っている会社も無い)にも関わらず商業捕鯨再開の交渉が続けられている」という点でしょうか。すなわち、よくある政財界の癒着がない、純粋な観念バトルが展開されているのです。多くの分析は「毎年モラトリアム解除交渉に失敗する負け犬日本」として見ているそうですが、実は大本営は捕鯨文化論を構築することで日本国内でオール与党体制を作り上げることに成功し、水産庁は調査捕鯨の予算拡大に成功しています。経済的利害がほとんど無いため、理想論だけで成り立ってしまうのが捕鯨問題なのかも(それゆえ文化の問題にしてしまえば保守革新利害権益を問わず支持を取り付けやすく、精神的に強固な団結を作れる)。IWCでの交渉はいわばwin-winの状態にあるともいえます(科学と科学者を除く)。反捕鯨側は政治家のイメージアップ、環境NGOの寄付金集め。日本は外交フラストレーションのガス抜きとして、いくらでも机上の空論を吼えることが出来ます(南極捕鯨に関わる企業が存在しないのだから現実的解決や協調路線や妥協など誰も要求しない)。捕鯨を擁護するとまるで文化を大切にする人間みたいに見えますし、それで国民も大方満足なのです。職業柄大局的判断を必要とする外務官僚、調査捕鯨の意義・成果を気にする科学者、賢明な判断力を持った人たちなどは不満足でしょうが。満足できない彼らはこうつぶやきます。

「愚夫とは違うのだよ!愚夫とは!」

 ところで、flagburner's blog(仮)でシーシェパードがずっとウォッチされています。記事の中でシーシェパードと捕鯨推進大本営が類似しているとたびたび述べられていますが、私にはいまいちわかりませんでした。ひょっとしてこうか?それなら何となく似てなくもないですな。

捕鯨推進派:産業の実体を伴わない(沿岸小型捕鯨業者は蚊帳の外である)。言うだけならタダの精神論だけで成り立ってしまう。

シーシェパード:海獣保護に特化しているので産業界との衝突がほとんどない。理想だけで成り立ってしまう。だからいくつもの会社が(ついでにダライラマも)サポーターになる。

 経済的利害を含まない、「捕鯨文化論」という新興の信仰による団結を崩すのは難しそうです(従来の反捕鯨派のやり方では。あまり話題にしない方がよいでしょう。)。ミンク捕鯨再開を要求する沿岸捕鯨業者にとってはアイルランド提案(注)に反対する理由は無いと思います。このアイルランド提案、ヒジョーに人気が高い(たとえばGPは公式サイトでRMS完成に反対しているが、星川氏個人は著書の中で高く評価している)のですが、大本営だけは反対しているようです(「他国の無理解にその責任を押しつける形で!」)。基本的に一枚岩の捕鯨推進派に亀裂が生じるとしたら沿岸捕鯨業者と水産庁の間でしょうか。

「我々は一人の英雄を失った。これは敗北を意味するのか?否!始まりなのだ!
捕鯨支持派に比べ我がGPの支持率は30分の1以下である。にも関わらず今日まで戦い抜いてこられたのは何故か!諸君!我がGPの目的が正しいからだ!
一握りのエリートが南極で調査捕鯨を開始して20年、地球に住む我々が中止を要求して、何度踏みにじられたかを思い起こすがいい。GPの掲げる、捕鯨阻止のための戦いを、神が見捨てる訳は無い。
GPの職員、諸君らが愛してくれた佐藤潤一は逮捕された、何故だ!
(窃盗だからさ!)
戦いはやや落着いた。諸君らはこの戦いをコップの中の嵐と見過ごしているのではないのか?しかし、それは重大な過ちである。捕鯨推進派は聖なる唯一の南極で調査捕鯨を永続化しようとしている。我々はその愚かしさを水産庁のエリート共に教えねばならんのだ。
佐藤は、諸君らの甘い考えを目覚めさせるために、逮捕された!戦いはこれからである。
我々の支持層はますます拡大しつつある。捕鯨推進派とてこのままではあるまい。
諸君の税金も、共同船舶の無思慮なお土産の前に浪費されていったのだ。この悲しみも怒りも忘れてはならない!それを佐藤は逮捕を以って我々に示してくれたのだ!我々は今、この怒りを結集し、捕鯨推進派に叩きつけて初めて真の勝利を得ることが出来る。この勝利こそ、鯨類全てへの最大の慰めとなる。
国民よ立て!悲しみを怒りに変えて、立てよ国民!GPは諸君等の力を欲しているのだ。
ジーク・GP!!」

 ガルマにぴったりの人物がいるのは大本営やSSじゃなくてGPなんだよな。。そういや我らがガルマはとっくに保釈されたはずだが、次のブログ更新はいつなんだろ。

(注)
アイルランド提案(アイルランド代表の名前からキャニー提案とも)の大まかな内容
1、改訂管理制度(RMS)の完成
2、現捕鯨国の排他的経済水域でのみ捕鯨を行う
3、鯨類製品の国際取引の禁止
4、致死的調査捕鯨の段階的廃止
5、ホエールウォッチングの規制

例えば、
石井先生の第1回PEW鯨類シンポジウムでの発言
http://www.iisd.ca/ymb/whales/

水産資源学者勝川先生のブログ
http://kaiseki.ori.u-tokyo.ac.jp/~katukawa/blog/2007/11/post_235.html

自滅した調査捕鯨
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20080521/1211359006

クジラを心おきなく食べるなら他国との軋轢を解消する必要がある。そのためには、調査捕鯨を止め、日本近海での観光を兼ねた付加価値つきの捕鯨に留めるべきだ。

など、アイルランド提案を評価したり、それに近い意見があります。
ついでに大本営バージョン。

我々は商業捕鯨を失った。これは敗北を意味するのか?否!調査捕鯨の始まりなのだ!
非捕鯨国に比べ我が捕鯨国は30分の1以下である。にも関わらず今日まで戦い抜いてこられたのは何故か!諸君!我が日本の調査目的が正しいからだ!
一握りの白人が80カ国にまで膨れ上がったIWCを支配して20余年、日本に住む我々がモラトリアム解除を要求して、何度踏みにじられたかを思い起こすがいい。日本の掲げる、持続可能なクジラ資源利用のための戦いを、神が見捨てる訳は無い。
私の好物、諸君らも愛しているウネスはインターセプトされた、何故だ!
(横領だからさ!)
戦いはやや落着いた。諸君らはこの交渉を机上の空論と見過ごしているのではないのか?しかし、それは重大な過ちである。反捕鯨国は聖なる日本の文化を否定して生き残ろうとしている。我々はその愚かしさを反捕鯨国のエリート共に教えねばならんのだ。戦いはこれからである。
我々の勢力はますます増加しつつある。反捕鯨国とてこのままではあるまい。
諸君の父も兄も、反捕鯨国の無思慮な文化帝国主義の前に倒れていったのだ。この悲しみも怒りも忘れてはならない!我々は今、この怒りを結集し、反捕鯨国に叩きつけて初めて真の勝利を得ることが出来る。この勝利こそ、捕鯨関係者全てへの最大の慰めとなる。
国民よ立て!悲しみを怒りに変えて、立てよ国民!大本営は諸君等の力を欲しているのだ。
ジーク・捕鯨!!
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テーマ:捕鯨・反捕鯨問題 - ジャンル:政治・経済

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