3500-13-12-2-1

ツーリングの記録等に使おうと思っていたが。。。タイトルは最初の記事の3500km, 13日, 12ヶ国, 自動二輪, 空冷単気筒の意。

捕鯨脳

自分の首を絞める喫煙者
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20071227

 上の記事を読んで「1階玄関共用ロビー」が「南極海」、「喫煙」が「捕鯨」に見えてしまうのが捕鯨脳です。一連の問答も日本の捕鯨外交そっくりに見えてしまいます。

 「非喫煙者と共存しようという態度がまったく見られない。ファシズムと闘う闘士のつもりなのだろうが、こういう行動がどのような結果を招くのか想像できないのであろう。」とNATROMさんがコメントしています。喫煙が健康を損なうことは科学的に立証されていますが、私はべつに喫煙者を積極的に排除したいとは思いません。喫煙/非喫煙はあくまで個人の自由ですし、禁煙の風潮に歯向かい反逆の狼煙をあげる喫煙者には好感すら抱いています(かくいう私は煙草は止めました)。が、この件には当然ながら反感をもちます。この喫煙者がパイプをふかしながらロビーを通った程度では火事の危険性がないことや、(もし仮に)副流煙の健康被害がないことを立証できたとして、それで他の非喫煙者の理解を得られるでしょうか。「煙草を吸うのは勝手だが、公共の場での喫煙は控えてくれ」というのがいまの風潮でしょう。調査捕鯨というデタラメをやめて公海、とくに南極から撤退すれば風当たりは大分弱まりますよ(注)。

 科学とは何かを論じられるほど科学哲学を知らないのですが、ここではとりあえず科学は事実判定とそれに基づく予測であり価値判断をするものではない、としておきます。鯨食にしろ鯨見にしろこれらは文化なので、捕鯨賛成/反対についてもどちらが科学的に正しいのかという判断は出来ません。鯨食を野蛮だと非難するのは論外ですが、「クジラがかわいそうというのは非科学的で偽善だ」というのも実は同様なのです。

 では日本の捕鯨外交を分析した「商業捕鯨モラトリアム以後における日本の捕鯨外交を新しい視点で読み解く」より抜粋。

モラトリアム撤廃=商業捕鯨再開に必要な条件は何か。日本の提案が否決され続けているIWCでの秘密投票導入は、全体の75%の得票をもたらすことは到底無理であり、ましてや喧伝される票買いが同得票を獲得することは不可能である。したがって、モラトリアム撤廃のために必要とされるのは反捕鯨諸国との交渉であり、その際に以下の4 つの合理的外交姿勢が必要条件となる。

1) 敵対的雰囲気が支配的なIWCおよび日本国内において反捕鯨諸国と交渉できる環境をつくること
2) 日本がIWC科学委員会の科学的助言を尊重する国であることを反捕鯨諸国に納得させ、日本の科学(調査)活動に対する信頼を回復すること
3) 反捕鯨諸国との交渉テーブルにつくこと
4) 商業捕鯨の独自再開を見すえたIWCからの脱退戦略を策定すること

IWCにおける捕鯨外交は1970 年以来、もっとも敵対的な国際交渉の一つである。したがって、反捕鯨諸国と交渉を行うための準備として、国際交渉だけでなく、日本国内にも蔓延している敵対的雰囲気を和らげることが必要である。日本国内も同様の措置をしなければならないのは、日本の国民や政策決定者が反捕鯨国との妥協を受け容れられる素地を作らなければならないためである(上記1)。さらに、再開後の商業捕鯨はIWCの科学委員会が改訂管理方式(Revised Management Procedure=RMP)によって算定する捕獲枠にもとづくことになるため、日本が科学委員会の勧告を尊重しつづけることを反捕鯨国に納得させなければならない(上記2)。究極的にはIWCの存続そのものを脅かす4 は、反捕鯨諸国にとっては脅威であり、交渉をする上で日本の有利な取り引き材料を準備するためのものである。
ところが、日本政府はこの4 点のどれもまともに追求していない。捕鯨推進側は反捕鯨諸国を感情的、非科学的、国際捕鯨取締条約逸脱と非難するばかりであり、捕鯨問題を文化の問題であると水産庁が主張し続けることで水産庁は自らIWCでの妥協を難しくしている(政治の文化化)。捕鯨文化論は1984 年に水産庁主導の捕鯨問題検討会による公式見解となり、1975 年時点でさえ鯨肉は動物たんぱく質消費の1.7%にすぎなかった(以後さらに低下)実態と乖離を強めながら、「肉食文化と魚(鯨)食文化の衝突」、「文化帝国主義」といったアンチ欧米言説へとエスカレートし、ナショナリズムに彩られた反・反捕鯨世論を形成してきている。同時にマスコミは政府広報と化し、水産庁もIWCにおいて、オーストラリアにIWCからの撤退を求めたりするなど、他の国際会議ではあり得ない敵対的な言動をとってきた。 “(科学)調査”による鯨肉在庫が余剰傾向を示すと、2006 年に別会社をつくって新たな需要創出に動いたのも、鯨肉食が伝統文化だとの主張とは食い違う。


 多文化共生、自分の文化も相手の文化も尊重する、というなら相手のいい分に耳を傾ける必要がありますし、日本の捕鯨の無謬神話も解体されるべきです。「商業捕鯨が再開できないのは感情的で非科学的な外人のせい」ということにして調査捕鯨名目の国営捕鯨を永続化するのが狙いだから、国際交渉決裂、調査目標滅裂ということになるのでしょう。

(注)ただしアイスランドが自国沿岸で商業捕鯨を開始したところ、ホエールウォッチング目当ての観光客が減少したという話もある。
Iceland shunned over whale hunting
Williams, Current Biology 16: R975-R976 (2007)
A new programme of commercial whaling has angered Iceland's neighbours and looks set to damage its tourist industry. Nigel Williams reports.

Iceland's start-up of commercial whaling this summer appears to be having a dramatic effect on the country's booming ecotourism and whale-watching holidays. One major British tour operator has reported a 25 per cent drop in bookings since the country resumed whaling last month.


アイスランドが国際的なモラトリアムと抗議に反し商業捕鯨を再開
http://www.ifaw.org/ifaw/general/default.aspx?oid=196055

ちなみにアイスランドの捕鯨はその後、採算がとれず中止に追い込まれている。

日本の市場狙いだったアイスランドの「商業捕鯨」が1年で中止に
http://www.news.janjan.jp/world/0708/0708280441/1.php

アイスランドが商業捕鯨を中止に!
http://www.greenpeace.or.jp/campaign/oceans/whale/sato/91

アイスランドが商業捕鯨中断
http://kaiseki.ori.u-tokyo.ac.jp/~katukawa/blog/2007/08/post_187.html
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テーマ:捕鯨・反捕鯨問題 - ジャンル:政治・経済

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