3500-13-12-2-1

ツーリングの記録等に使おうと思っていたが。。。タイトルは最初の記事の3500km, 13日, 12ヶ国, 自動二輪, 空冷単気筒の意。

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7500回の沈黙の春

 ナショジオで紹介されていた記事ですが、アメリカ先住民のある部族は、7500年をかけて(便利な材料として使っていたアスファルトに含まれる)多環芳香族炭化水素(PAH)に曝露され続けた結果、徐々に健康を蝕まれていった可能性が論じられています。PAHへの曝露は発がんやホルモンレベルの変化など種々の悪影響をもたらすわけですが、頭蓋容量や身長の減少は長い時間をかけて起こったため、当時の人間が現代並みに保健記録をつけていたとしてもこうした影響はなかなか明らかにはならなかったでしょう。(今日日の科学者様なら1週間曝露して変化がなければ未来永劫問題はないと断言してくれそうなもんだが)

Could the health decline of prehistoric California indians be related to exposure to polycyclic aromatic hydrocarbons (PAHs) from natural bitumen?
Wärmländer et al., Environ Health Perspect 119: 1203 (2011)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21596651
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 曝露される有害物がPAHだけなら影響が明らかになるのに数千年かかるかもしれませんが、何百種類もの化学物質による汚染や生物の大量絶滅、海のプラスチック汚染と人為的気候変動も抱える現在の人類が破滅を迎えるのにはそれほど長くはかからないでしょう。実際、オレスケスらもそのフィクションの中で、現代文明の崩壊を今世紀中という設定にしています(温暖化が崩壊の理由だが)。

 以前も触れましたが、現在、神経発生・発達だけに絞っても多くの化学物質が悪影響を及ぼすことと対策の必要性が訴えられています。多くの化学物質が神経発生や発達への影響評価なしに使用されているため、胎児や子供たちが日々こうした化学物質に曝露され続けていること、これらの化学物質の複合的影響はほとんど研究されていないことが指摘されています。

Project TENDR: Targeting Environmental Neuro-Developmental Risks. The TENDR Consensus Statement
http://ehp.niehs.nih.gov/ehp358/

 神経系の発生と発達に悪影響を及ぼすものとしてあげられいるのはPBDE(ポリ臭化ジフェニルエーテル)、PAH、PCB、鉛、水銀などです。鉛については「Doubt is their product」の中でも取り上げられていて、ガソリンに鉛が含まれていた時代、アメリカ人の血中鉛濃度は現在よりも高く、多くの子供の神経系発達に影響したであろうことが論じられています。神経発生と発達においては、鉛曝露の安全なレベルなどないという科学的な合意が現在あるわけですが(Schnur & John, 2014)、かつて業界側は、鉛の濃度は影響する閾値以下なので規制する必要はないという論陣を張ったとDoubt is ther productの著者であるMichaelsは記しています。これは日本の核災害後の放射能汚染に対する政府や臣民の言説と瓜二つです。

 声明では、環境中の化学物質の科学的影響評価と政策決定のシステムが機能していないことを指摘し、子供たちへの化学物質の曝露を減らすことを訴えています。

 「沈黙の春」の最終章でカーソンが言った通り、今でも人類は破滅に向う高速道路をひた走っているのです。
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