3500-13-12-2-1

ツーリングの記録等に使おうと思っていたが。。。タイトルは最初の記事の3500km, 13日, 12ヶ国, 自動二輪, 空冷単気筒の意。

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科学憲兵はこういうのを取り締まらない

アズキさんの語る『調査捕鯨の過去と未来』
http://togetter.com/li/370166

んで、ミンク鯨は現在資源量が60~70万頭に回復してると言われ、年間1000頭の捕獲では群れが減ったりしてない。どころか、南氷洋サンクチュアリなどでナガスやザトウなど他のクジラの餌場を浸食し始めており、それらの絶滅危惧種の繁殖を阻害している可能性が調査捕鯨の結果指摘されてる。
https://twitter.com/azukiglg/status/244702630771847168


日本が南極で無駄に捕殺しているクロミンククジラの推定個体数は30〜40万である。大本営発表ではかつての見積もりである76万という数字がいつまでも使われているようだが。
151-01.png
図の出典:
Marine Mammal Populations: Reconstructing Historical Abundances at the Global Scale
Christensen, Fisheries Centre Research Reports, vol. 14, no. 9 (2006).

そして「ミンクーナガス」「ミンクーザトウ」競合説というのは初めて見た。一部でよく知られているミンクーシロナガス競合説に科学的と呼べるほどの根拠はないし、調査捕鯨の結果に基づいて出された説というわけでもない。前にも書いたが。↓こういうのを読めばわかるわけですが。

Recovery plan for the blue whale
NOAA (1998)

Baleen whales: conservation issues and the status of the most endangered populations
Clapham et al., Mammal Review 29: 37- (1999)

Whaling: Will the Phoenix rise again?
Holt, Marine Pollution Bulletin 54: 1081– (2007)

Are Antarctic minke whales unusually abundant because of 20th century whaling?
Ruegg et al., Mol Ecol 19:281- (2010)

よく、調査捕鯨=クジラの頭数のカウントのためだけなら、捕殺の必要はなく背びれを数えればいいだけだ、という主張を見かけるけど、調査捕鯨っていうのは「商業捕鯨をしても資源総量が枯渇しないようにするには、どの程度までなら採って大丈夫か?」を調査する、というものでもある。
https://twitter.com/azukiglg/status/244702874158903296


捕獲可能数の算出はRMPの計算で十分であり、実行して立証する必要はない。そもそもこんなことは大本営発表にすら書かれていないネットの俗論である。

また、捕獲した鯨が何を食べているか?などの調査は、胃の内容物を調べなければならないため生体調査ができない。調査捕鯨が始まるまで回遊生態も、回遊地で何を餌にしていたかもはっきりしていなかった(例えばミンクは赤道付近と両極付近では別の餌を食べてた)
https://twitter.com/azukiglg/status/244703180821241856


殺して胃の中身を調べるだけしか手段がないわけではない。

A DNA-based method for identification of krill species and its application to analysing the diet of marine vertebrate predators
Jarman et al., Molecular Ecology 11: 2679-2690 (2002)

Group-specific polymerase chain reaction for DNA-based analysis of species diversity and identity in dietary samples
Jarman et al., Molecular Ecology 13: 1313–1322 (2004)

Quantitative fatty acid signature analysis: a new method of estimating predator diets.
Iverson et al., Ecological Monographs 74: 211-235 (2004)

最近のだとこういう手法もクジラに応用できるかもしれない。

Probability of detecting marine predator-prey and species interactions using novel hybrid acoustic transmitter-receiver tags.
Baker et al., PLoS ONE 9: e98117 (2014).

将来的に捕殺調査の優位性の説得力はますますなくなってくるだろうな。

「需要を減らして買わせなければよい」は、そもそも基本の部分から間違っている。「資源の維持、維持しながら獲得出来る量の模索」をIWC科学委員会の付託を受けて行っているのは日本の捕鯨船だけで、それ以外の組織団体はクジラの資源総量について科学的な判断を下せるだけの独自調査はしてない
https://twitter.com/azukiglg/status/244703899120963585


調査捕鯨を行なう主体はIWCの各加盟国であり、IWC科学委員会は何かの勧告はしても強制力は持っていない。日本の調査捕鯨は日本が勝手に科学調査名目で行なっているだけである(因に、禁漁期に科学調査の名目で捕鯨をはじめたのはソ連が最初)。各種クジラや、鯨類全体の生息数については前出のChristensen(2006)に詳しい。例えば下の図など。
151-02.png

そしてミンクの捕獲量の制限=ミンクの繁殖促進=ミンクの餌場の拡大とナガスの餌場の浸食=ナガスの減少という負のスパイラルが起きている RT ‪@ethanolcat‬: ‪@azukiglg‬ ゆえに、捕鯨反対の向きからは調査捕鯨は叩かれる。捕鯨反対なら、調査も不要であるからして。
https://twitter.com/azukiglg/status/244704544091693056


前のツイートでも気になっていたが、クロミンクーナガス競合説というのはまったく聞いたことがない。
追記:そもそも「ミンクの捕獲量の制限=ミンクの繁殖促進=ミンクの餌場の拡大とナガスの餌場の浸食=ナガスの減少」がウソ。比較的小型のミンククジラが捕鯨の対象になったのは、シロナガスクジラなど大型のクジラが姿を消したから。Paulyの言葉を借りるなら"whaling down"ということ。というかこいつの頭の中でのミンククジラの適正捕獲数はどうなっているんだろう?

捕鯨って日本の伝統ではなかったか。
https://twitter.com/ethanolcat/status/244704748861788160


南極海で伝統的に捕鯨していた国など私は知らん。

ミンク鯨は「海のディンゴ」であるわけで、これを放置することで結果的にナガスクジラは絶滅に追い込まれる。が、「クジラならなんでも捕鯨反対」という要点をシンプルにしか理解しない向きは、自らの判断がナガス絶滅の後押しをしていることを微塵も想像しない RT ‪@ethanolcat‬:
https://twitter.com/azukiglg/status/244704839970471936


ミンクを「海のゴキブリ」と呼んだ人間は知っているが、「海のディンゴ」というのは初めて見た。検索しても俗論の類しか見当たらない。ミンククジラが他のクジラの生存を脅かしている可能性というのは前に述べた通り絶無である。ぼくのかんがえたかいようせいたいけいにはうんざり。

ちうか、「鯨と人間は同じ小魚を取り合うライバルだ」という視点が理解されないのが(つ∀-) QT ‪@azukiglg‬: そして非常にマズイのが、ミンクとナガスの「外見」がそっくりであることに基づく誤解と混同で、これの結果「ミンクを採ること」と「ナガスを採るこ ‪@ethanolcat‬
https://twitter.com/_____zoe_____/status/244705159807111168


使い古された鯨食害論である。そもそもそれを支持する論文を見た事がない。

Must top predators be culled for the sake of fisheries?
Yodzis, Trends in Ecology and Evolution 16: 78- (2001)

Mapping world-wide distributions of marine mammal species using a relative environmental suitability (RES) model
Kaschner et al., MARINE ECOLOGY PROGRESS SERIES 316: 285- (2006)

Should whales be culled to increase fishery yield?
Gerber et al., Science 323: 880- (2009)

クジラは「24時間365日操業し続ける漁船」ですからなあ RT ‪@_____zoe_____‬: ちうか、「鯨と人間は同じ小魚を取り合うライバルだ」という視点が理解されないのが(つ∀-) QT ‪@azukiglg‬: そして非常にマズイのが、ミンクとナガスの「外見」がそっくりであるこ
https://twitter.com/azukiglg/status/244705320893566976


ヒゲクジラ類は摂餌しない時期があることは鯨肉販売サイトにも書いてある。
http://www.e-kuzira.com/newpage3.html
ホエールウォッチングの頁にも書いてある。
http://www.whale-watching.jp/watching/okinawa.php
ザトウを例にすると、摂餌するのは夏期と書いてある。
http://www.eoearth.org/view/article/163449/

あと、マッコウクジラは睡眠をとることが観察されている。
Stereotypical resting behavior of the sperm whale
Miller et al., Curr Biol 18: R21- (2008)

何が「24時間365日操業し続ける漁船」だ?

ツチ、ゴンドウ、イシイルカはIWC管理対象外だけど、これだってIWCの勧告とは別に国内農水省の管理下で年間の捕獲可能頭数が厳密に制限されてる。されてるけど、あの枠はもう少し広げてもいいんじゃね?という気はする。
https://twitter.com/azukiglg/status/244707290421293056


IWCが管理する鯨種というのは実は明確には定義されていない(解体新書「捕鯨論争」の5ページから詳しく解説されている)ので、「IWC管理対象外」というのは日本政府の主張に過ぎない。

専門家は捕獲枠をもう少し拡げても良いと考えているどころか、個体数の減少を指摘している。
https://www.marinemammalscience.org/letters/letter-to-japanese-government-regarding-dolphin-and-small-whale-hunts/

実際、伊豆のイルカ猟は資源壊滅を招いた。
Japanese Whaling and Other Cetacean Fisheries
Kasuya, Env Sci Pollut Res 14: 39- (2007)

沿岸小型鯨類は当然ながら沿岸部に多くいる根付きだったりする(ツチは回遊)ので、近海沿岸漁業のライバルである。休漁して漁場を休ませても、イルカを間引かなければ根こそぎやられる。イルカ、小型鯨類に「休漁」なんて通じないわけだし。
https://twitter.com/azukiglg/status/244707570873417728


これもまた鯨食害論である。イルカであろうがクジラであろうが間引きが漁獲増加に貢献すると主張する専門家を見たことがない。

また、沿岸小型鯨類の捕獲を制限した結果、それらの頭数が増えた結果、小型鯨類の群れ毎のスタンピート(上陸暴走)や航路妨害(船舶との衝突事例)が増えてるような、というか色々目に付く機会が増えてるような……。結局、彼らが増えすぎることは我々人類にとってもよくない。
https://twitter.com/azukiglg/status/244707954148904960


イルカは増えているのか?下図は前出のChristensen (2006)より。
151-03.png
船の数が増えて高速化すれば、海獣が減っていても衝突事故は起こることは前に上げた↓の中でも論じられている。

Baleen whales: conservation issues and the status of the most endangered populations
Clapham et al., 29: 37- (1999)

また、鯨類は人類が利用するだけでなく、海洋生態系の中でも重要な役割を果たしている。そのバイオマスがかつてないほど減少しているのを憂いて、人為的な海獣の死を減らそうと努力しているのだよ。

Bigger is Better: The Role of Whales as Detritus in Marine Ecosystems (Smith)
Whales, Whaling, and Ocean Ecosystems, (2007)
https://www.soest.hawaii.edu/oceanography/faculty/csmith/Files/Smith-%20Bigger%20is%20Better.pdf

The Impact of Whaling on the Ocean Carbon Cycle: Why Bigger Was Better
Pershinget al., PLoS One 5(8): e12444 (2010)

Bones as biofuel: a review of whale bone composition with implications for deep-sea biology and palaeoanthropology.
Higgs et al., Proc Biol Sci. 278: 9- (2011)

寿司が世界に広がった、とかそういうことだけでなく、世界人口の増大は蛋白質を海にも広く求めるようになり、流通の発達は沿岸部の魚類を内陸に運ぶようになった。つまり、それだけ「海の蛋白源の世界規模での活用」が増えているわけで、クジラがそれを摂取することを現代は過去ほど寛容になれない。
https://twitter.com/azukiglg/status/244708576571043840


科学者が何を論じているかは以下の論文で概観できる。
Fishing down marine food webs
Pauly et al., Science 279: 860- (1998)

Rapid worldwide depletion of predatory fish communities
Myers & Worm, Nature 423: 280- (2003)

Impacts of biodiversity loss on ocean ecosystem services
Worm et al., Science 314: 787- (2006)

The unique ecology of human predators
Darimont et al., Science 349: 858- (2015) 

漁業の例では、スーパー捕食者たる人間が大型動物(鯨類も含む!)を次々と減らし、標的が小型化しつつある傾向が見て取れるということ。クジラのいる海というのは、クジラがいられるほど生態系が充実しているということであり、人間も(漁業が適切に行なわれるなら)その恩恵を受けるだろう。ダニエル・ポーリーは、このまま魚を食い尽くしていくなら人類最後のシーフードメニューはクラゲのスープみたいなのしかなくなると言っている。

その他参考になりそうなところ。
http://katukawa.com/?p=1003
https://newrepublic.com/article/69712/aquacalypse-now
http://www.fishingdown.org/

ポール・ワトソンよろしく人類全てがベジタリアンたることが可能かというと、ほとんどの人間は動物性蛋白質の摂取なしに人体を維持できない。「それなら維持できる人間だけに生存を許し、それ以外の人間は淘汰されるべきである」という主張に正義はあるかというと、大多数は淘汰されることに同意しない
https://twitter.com/azukiglg/status/244709582981701633


世界全体で食糧の公平な分配を目指すなら、大量生産大量流通大量消費大量廃棄が常態の国は肉や魚を食う量を減らしたほうがいい。完全にベジタリアンにならなくても、週の半分ほど肉や魚を食わなければ大分変わる。良質な肉や魚を少量食べるようにした方が健康にはいいだろうし。

Vegetarian, vegan diets and multiple health outcomes: a systematic review with meta-analysis of observational studies.
Dinu et al., Crit Rev Food Sci Nutr. (2016)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26853923

ですです。捕鯨は自分が鯨を食べなくても「捕鯨したほうが結果的に得」なんですよ RT ‪@moltoke_Rumia1p‬: ‪@azukiglg‬ ( ̄∀ ̄) だから、単純な損得勘定まで噛み砕いて説明するのが最善かもなぁと。 それはあなたに損ですよ。止めましょうと。
https://twitter.com/azukiglg/status/244710602256310272



「捕鯨した方が結果的に得」という根拠が全くないわけだが。以上ざっと書いてみましたが、詳しい人ならもっと突っ込みどころを見つけられることでしょう。
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