3500-13-12-2-1

ツーリングの記録等に使おうと思っていたが。。。タイトルは最初の記事の3500km, 13日, 12ヶ国, 自動二輪, 空冷単気筒の意。

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過去と現在は合わせ鏡

uchya_x 2012/10/15 12:25
明らかにセクハラか強制猥褻でしかない事を「笑い話」として「今」「誰でも見られる媒体」で放送してしまう事がおかしいとは思わないの?
「昔の話だから」「芸能界という特殊な世界の事だから」っていう受け入れ方と「半世紀以上前の話」「戦争中だから」っていう受け入れ方と何がどう違うの?
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20121012/1350050836


 慰安婦の議論をみて思いだしたことや思ったことなど。慰安婦に共通してみられる被害のパターンの一つに下のようなものがあります。

さらに、吉見教授は残されている史料や信頼性が高いと判断される証言を調査し、朝鮮でいちばん多いケースは就業詐欺や誘拐といったケースであり、職種を明かさずに甘言で釣り、騙して中国や南方に連れて行き、慰安所で性行為を強制されたケースだとしています[注5]。また、慰安所から出る時には(逃亡防止と防諜の必要性から)監視をつけたり、前借金に縛られ廃業の自由も無い状態での使役の仕方は、強制使役にあたるとしています。
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BD%BE%B7%B3%B0%D6%B0%C2%C9%D8


 下館事件というのがあったのを思い出して検索したところ、次の文献が引っかかってきました。

人身売買被害者とは誰か 日本政府の「人身取引」対策における被害者認知に関する課題
齋藤百合子、アジア太平洋レビュー 3: 67-76 (2006)

 上の齋藤論文は現代日本で起きた人身売買を概説したものですが、この中で取り上げられている事件(下館事件を含む)にはある種のパターンが見いだせます。日本で就職口(レストランの仕事などと説明される)があると聞いてやってきたところで突然「お前は数百万円の借金を負っている」と告げられ売春を強要されたという点や、殺人にまで発展した事件で殺された人間の多くは人身売買の犠牲者を直接管理(支配)していた「奴隷頭」みたいな地位の外国人であるという点です。事件化して注目を集めたのは氷山の一角であり、こうした人身売買の犠牲者は相当いるのでしょう。慰安婦と比べても、騙されて性的搾取にあう点は同じです。

 齋藤論文は、日本政府の人身売買への対応が厳しく批判されていることを指摘しています。

国連女子差別撤廃委員会の最終報告(1994年)は、日本政府レポートは、アジアの女性に対する性的搾取を真剣に反省していないと失望を表し、「商業的性的搾取」又は「移民女性の売買」について「具体的かつ効果的措置をとること」を勧告している。さらに国連自由権規約委員会の最終見解(1998年)は、アジア諸国出身外国人女性の人権の確保や女性の不正取引の存在を指摘しており、不十分な被害者保護を懸念する内容であった。


一方、2000年以降、国連以外にもアメリカ合衆国国務省が同盟国の人身売買対策を3階層で評価する『人身売買レポート』を2001年から毎年発表し、同盟国に人身売買対策を促してきた。このレポートでの日本の評価は、発表初年度の2001年から2003年までは、「不十分ではあるが何かしらの対策は講じている」として第2階層だった。しかし、2004年6月発表のレポートでは、これまでと同じ第2階層の中ではあるが、「監視国(Watching List)」と評価され、人身売買対策の遅れを指摘された。「監視国」とは、具体的な対策を講じ、それが評価されなければ制裁措置を発動できる「第3階層」に転落することを意味する。


 さらに齋藤論文は人身売買被害者の「グレーゾーン」についても言及し、行政による被害認定の問題や、被害者本人に被害の自覚が無い場合などを挙げて論じています。「奴隷は鎖でつながれ鞭打たれているもの」というのは極めて漫画的な理解で、現実と乖離したものです。

WHO提言は、臓器売買以外の人身売買は複雑で巧妙な人間管理と搾取システムの中で行われており、権利や法律に関する知識を持ち合わせておらず、経済的な困難を抱えているといった弱い立場の人(おもに女性や子ども)を、言語や生活習慣や法律が違う国や地域に移送し、架空の借金や脅迫、あるいはアメとムチを巧みに使った心理的管理によって拘束し搾取する行為である、と指摘している。そのうえで、人身売買の被害を受けていない非当事者が、被害を受けた当事者に係わる時には、被害者が置かれていた複雑な状況を理解し、配慮して臨むことを求めている。


 「複雑で巧妙な搾取システム」といえば外国人研修制度もその一つでしょう。名目上は日本で技術を習得してそれぞれの母国に持ち帰り活用してもらおうというものですが、実態は安い労働力を確保する手段として使われているわけです。
http://www.excite.co.jp/News/chn_soc/20110614/Recordchina_20110614011.html

 そしていくつもの仲介業者が外国人研修生を受け入れる企業側のメリットとして露骨に「コスト削減」をうたっています。外国人研修生制度って日本が国際貢献するための制度という説明なんですけどね。
http://mugen.mn/melit.html
http://www2.odn.ne.jp/~aeg12730/jitco/index.htm
http://www.b-net.asia/kensyu.html

 研修を名目に奴隷を募集しているのは民間の業者かもしれませんが、外国人研修制度を作って業者への認可を出しているのは日本政府です。「政府(12月13日ミス修正)従軍慰安婦の募集と斡旋を行ったのは民間業者であり、軍や政府は直接関係していない」という詭弁を思い出させますな。

 齋藤論文は人身売買のグレーゾーン被害者について次のように述べていますが、形式上は合法である外国人研修生ともなると被害認定はますます難しくなるでしょう。

これらのグレーゾーン被害者を被害者として認知しなければ、氷山の一角である警察庁発表の数字のみが人身売買の実態であるかのように過小評価されるだけでなく、人身売買で暴利を貪る側を野放しにすることになる。さらに、行動計画策定以降、警察を初めとして政府が加害者の摘発に力を入れるようになったため、人身売買者側の管理方法がますます巧妙になり、被害者が顕在化しない状態が生み出されることも懸念される。


 戦闘中でもない現代日本で人身売買や外国人研修の実態がこうなのだから、戦闘機のパイロットすら使い捨てにするような戦争の中で慰安婦がどのように扱われたかは容易く想像出来るというものです。そしてまた、日本人ですら簡単に職を失い、あるいは過労死させられる現在の状況で外国人労働者がどういう扱いを受けるかも簡単に類推できます。慰安婦問題は、現代日本で女性、外国人労働者、そして外国人女性がどのように扱われているかも問いかけているのです。

 現在や未来を支配する為に過去を操作しようとする話はSFの定番ですが、これは映画や小説に限ったことではありません。歴史修正主義者はなぜ慰安婦問題の責任を業者に転嫁し矮小化するのか?国の立場から見れば「外国人研修制度を悪用する業者が一部にいる」位の話で済ませられれば好都合です。なぜならこの解釈では研修制度を作ったり、人身売買に対策を講じなかった国の責任は問われないのですから。トップの人間は常に救済を施す者で、決して政府中枢の責任は問われないというのは、ちょうど水戸黄門と同じような設定です。
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