3500-13-12-2-1

ツーリングの記録等に使おうと思っていたが。。。タイトルは最初の記事の3500km, 13日, 12ヶ国, 自動二輪, 空冷単気筒の意。

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不謹慎ながら

ゲームとクジラ
http://kkneko.sblo.jp/article/18421324.html
経由で
http://www.4gamer.net/games/036/G003691/20080807035/
http://www.4gamer.net/weekly/kaito/083/kaito_083.shtml
http://www.mcvideogame.com/
http://www.molleindustria.org/faith-fighter

 ブラックジョークは大好きなのでこの手のゲームなどゲラゲラ笑いながら楽しんだのですが。
http://jp.youtube.com/watch?v=nR4KN6EfX6M
 件のHarpoonedのデモ動画の途中でミガルーが出てきますね。ミガルーは最近5号館のつぶやきで知りましたが、アルビノのザトウクジラです。
43-01.jpg
参考
5号館のつぶやき:ザトウクジラの捕獲は中止
http://shinka3.exblog.jp/7801088/
http://www.migaloowhale.org/
http://www.shakamarlin.com/migaloo.htm

 水産資源学者の勝川俊雄さんはザトウクジラ捕獲についてこのようにコメントしています。
日本の捕鯨外交に関する論文を送っていただいた
http://kaiseki.ori.u-tokyo.ac.jp/~katukawa/blog/2007/11/post_244.html

わざわざザトウクジラの捕獲を宣言したりするのは、
どうみても反捕鯨陣営を挑発しているだけだろう。


 相手を挑発して衝突を引き起こす、シーシェパードなんかと似た手口ですな。シーシェパードの次なる戦術としてこんなのはどうでしょう。

「RESEARCH」と書いたプラスチックの刀(子供が遊びに使うアレ)を持って太地の水族館を訪れ、胃の内容物調査のために腹びれ付きイルカを殺させて欲しいと申し入れ、押し問答の一部始終をマイケル・ムーアの映画の様に公開する。名付けて「オペレーション・タケゾー(武蔵)」。

 ゲームについてですが、クジラを狩って肉を売り金を稼いで研究と称する点を痛烈に皮肉っています。捕鯨をしないと研究資金を稼げないという点、下記の指摘通り、調査捕鯨は科学活動としてかなり異質なのです。

2点目は、調査捕鯨は同条約が認める「科学目的」なのかという問題だ。調査捕鯨の年間経費は約60億円。このうち国の補助金などを除いた約50億円をクジラ肉の売上金でまかなっている。売上金がなければ捕鯨関連団体は維持できず、船舶会社も捕鯨船の建造費などを回収できなくなる。この枠組みは「経済行為」そのものであり、そこには研究者の主体性が反映される余地などない。決して、同条約が認める「科学目的」ではないのだ。
粕谷俊雄 (毎日新聞 2005年10月3日)
http://3500131221.blog120.fc2.com/blog-entry-31.html


The commercial nature of Japan’s whaling program conflicts with its scientific independence. Japan sells meat from the whales it kills on commercial markets and assigns “scientific whaling” quotas to individual whaling villages. These commercial ties create a profit incentive to kill whales even when no scientific need exists, raising troubling questions about the motives behind Japan's program.
Briand et al. (The New York Times, May 20, 2002)
http://3500131221.blog120.fc2.com/blog-entry-40.html


 さて話は変わりますがこのようなものを見つけました。

Multiple analysis of the whaling issue: Understanding the dispute by a matrix
Morishita, Marine Policy 30: 802–808 (2006)

 水産庁の森下さんによる論文です。このような表で分野毎の捕鯨問題の歴史的遷移を大本営側の視点から説明しています。
Appendix A. Historical transition of the whaling issue: a matrix
1960s - 1970s - 1980s - 1990s - 2000s
[Science]
Uncertainty - Comprehensive Assessment - RMP - Competition with fisheries
[Status of whale stocks]
Some depleted - Many stocks recovering - Some stocks abundant enough to allow harvest
[Law and Regulation]
BWU-Individual species quotas- NMP - Moratorium - RMP - RMS (not implemented)
[Economy]
Whaling industry - Anti-whaling NGO fundraising - Mega-NGOs
[Politics]
Stockholm conference - Japan bashing - Brain washed "world opinion" -NGO influence on public policy - Dysfunctional IWC
[Culture and emotion]
Globalism, cultural clash, cultural imperialism - Respect for cultural diversity

 漁業との競合の可能性が現在の科学トピックだそうですが、本文にはこうあります。

An emerging issue in the science of whales is the role of whales in the ecosystem. When stomach contents were analyzed as part of the scientific whaling programs, it was found that baleen whales eat a large amount of commercially important fish [7].


その文献[7]はこれ。
[7] Morishita J, Goodman D. Competition between fisheries and marine
mammals―feeding marine mammals at the expense of food for
humans. In: Proceedings of the Third World Fisheries Congress, 31
October–3 November 2000, Beijing, Reprinted in: A New Focus for
the International Whaling Commission. Published by The Institute of
Cetacean Research, Tokyo. 2001.

 森下さんは官僚、Goodman氏は鯨研のスポークスパーソン。学術論文でもなく、科学者でない人間による会合での発表となると根拠薄弱もいいところですな。またネットで森下さんはこのように説明しています。
http://www.e-kujira.or.jp/geiron/morishita/1/#c33

「クジラが大量の魚を食べるから,漁業と競合しているから捕獲すべきだ」という考え方は,しばしば誤って伝えられるか,意図的に誤って伝え,捕鯨支持の主張がおかしいという理由に使われています。
 例えば,漁業との競合の「可能性」については,我々は世界中の海洋で生じているとは言ったことはなく,むしろいくつかのホット・スポットで重要な問題である可能性があると考えています。


Goodman氏も似たような事を言ってましたな。
Africa fish fall blamed on Japan
http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/7470934.stm

Dan Goodman, a councillor to Japan's Institute of Cetacean Research which manages the nation's scientific whaling programme, said Japan had never said that whales were the cause of declining fish stocks.


 結局どの海域でどの鯨種、どの魚種が焦点なのかという具体的な話は見たことがありません。仮に競合があったとしても、いくつかの論文から察するにごく限定的なものでしょう。クジラが人類の漁業を脅かすなどあり得ないのですよ、その逆はあっても。競合の可能性を検証するといっても、トピックの重要性に大きな疑問が残ります。

 ついでに捕鯨にまつわる話でよく言われるのに、反捕鯨運動はベトナム戦争への批判をかわすために米国が仕組んだもの、というのがあります。上記の森下さんの論文ではこのように表現されています。

It is now widely believed that the United States had brought up the whaling issue at the conference in order to turn the world's attention away from the US defoliation tactics in the Vietnam War which caused large-scale environmental destruction and a health hazard [13].


 「広く信じられている」と指摘しているのであり、決して事実であると主張しているわけではありません。なかなか尻尾をつかませない非常に慎重な書き方です。その文献[13]は何かというとこれ。
[13] Yonezawa K. Foes of whaling lack logic. The Japan Times; 1994.

ここで全文読めます。
http://luna.pos.to/whale/gen_art_yone1.html

As I witnessed, and as documents in the United States National Archives corroborate, this last-minute maneuver was, it appeared, part of a grand design to divert the Stockholm Conference's attention from the mounting bitter criticism of the Vietnam War.


 公文書として確認できるのか?だとしたらどうして学術論文とかになっていないのか。捕鯨推進大本営の御用学者なんて分野を問わず結構いるようにみえますが。捕鯨を文化と結びつけて論じる「捕鯨文化論」が広告屋によって作られたものであることは広告会社の内部資料や新聞記事などの記事検索で確認できますが、これに対して反捕鯨運動はベトナム戦争批判をかわすためという話、はたして学術的検証に耐えられるものでしょうか。
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ガンダム風に

 すばらしい。論文がダウンロードできるようになっている!完全日本語訳もある!

「石井・大久保論文が和訳完成の暁は捕鯨推進派なぞあっという間に叩いてみせるわ」

http://www2s.biglobe.ne.jp/~stars/profile-page.htm
An Alternative Explanation of Japan’s Whaling Diplomacy in the Post-Moratorium Era
「日本の捕鯨外交を問い直す:商業捕鯨モラトリアム以降の外交目的と実態の乖離」
Ishii & Okubo, Journal of International Wildlife Law and Policy 10: 55-87 (2007)

 上の論文とGPJ事務局長の星川氏による「日本はなぜ世界で一番クジラを殺すのか」 (幻冬舎新書)を読んで思ったことなど。

 論文の中で、「日本は捕鯨禁止という国際規範を拒絶するために文化的相違の議論を構築したのであって、その逆ではない」と指摘されています。星川氏の本でも同様の指摘がなされており、実際に宣伝を担当した広告会社の内部資料が引用されています。現在の、捕鯨を日本の文化として論じる風潮が連綿と続いてきたものであるなら1972年のモラトリアム提案直後に蜂の巣をつついたように文化文化の大連呼があってしかるべきですが、実際にはそのようなことは無く、数年のタイムラグを経て捕鯨文化論がわき起こって来たことが論文の中で示されています(もし仮に、インド・中国・スウェーデンが連名でカレー・ラーメン・バイキング料理を廃止するよう日本に通告してきたら直後にどえらい騒ぎになるでしょうな。歴史は浅いとはいえ、これらは相当になじみ深い食文化です)。ちなみに1975年の時点で鯨肉が日本人の動物性タンパク質消費に占める割合は1.7%だったそうで。考えてみれば「捕鯨は日本の文化だ」というとき、それは捕鯨に反対する意見へのカウンターとして繰り出されることが大半ではないでしょうか。何のことは無い、広告屋の宣伝に踊らされていただけなのです。

「認めたくないものだな、自分自身の、バカさ故のあやまちというものを」

 沖縄の在日米軍基地なんかは実にけしからん問題でありますが、沖縄の経済が米軍基地に依拠している現実があるため、「米軍基地撤去」という主張に対してはたちどころに現実論が語られるのです。また、日米安保条約など、二国間の関係にかなり影響する議題です。こうした問題に比べ、星川氏が「コップの中の嵐」と形容する捕鯨問題ですが、その特異性は「南極で捕鯨をやっている産業が存在しない(やる意思を持っている会社も無い)にも関わらず商業捕鯨再開の交渉が続けられている」という点でしょうか。すなわち、よくある政財界の癒着がない、純粋な観念バトルが展開されているのです。多くの分析は「毎年モラトリアム解除交渉に失敗する負け犬日本」として見ているそうですが、実は大本営は捕鯨文化論を構築することで日本国内でオール与党体制を作り上げることに成功し、水産庁は調査捕鯨の予算拡大に成功しています。経済的利害がほとんど無いため、理想論だけで成り立ってしまうのが捕鯨問題なのかも(それゆえ文化の問題にしてしまえば保守革新利害権益を問わず支持を取り付けやすく、精神的に強固な団結を作れる)。IWCでの交渉はいわばwin-winの状態にあるともいえます(科学と科学者を除く)。反捕鯨側は政治家のイメージアップ、環境NGOの寄付金集め。日本は外交フラストレーションのガス抜きとして、いくらでも机上の空論を吼えることが出来ます(南極捕鯨に関わる企業が存在しないのだから現実的解決や協調路線や妥協など誰も要求しない)。捕鯨を擁護するとまるで文化を大切にする人間みたいに見えますし、それで国民も大方満足なのです。職業柄大局的判断を必要とする外務官僚、調査捕鯨の意義・成果を気にする科学者、賢明な判断力を持った人たちなどは不満足でしょうが。満足できない彼らはこうつぶやきます。

「愚夫とは違うのだよ!愚夫とは!」

 ところで、flagburner's blog(仮)でシーシェパードがずっとウォッチされています。記事の中でシーシェパードと捕鯨推進大本営が類似しているとたびたび述べられていますが、私にはいまいちわかりませんでした。ひょっとしてこうか?それなら何となく似てなくもないですな。

捕鯨推進派:産業の実体を伴わない(沿岸小型捕鯨業者は蚊帳の外である)。言うだけならタダの精神論だけで成り立ってしまう。

シーシェパード:海獣保護に特化しているので産業界との衝突がほとんどない。理想だけで成り立ってしまう。だからいくつもの会社が(ついでにダライラマも)サポーターになる。

 経済的利害を含まない、「捕鯨文化論」という新興の信仰による団結を崩すのは難しそうです(従来の反捕鯨派のやり方では。あまり話題にしない方がよいでしょう。)。ミンク捕鯨再開を要求する沿岸捕鯨業者にとってはアイルランド提案(注)に反対する理由は無いと思います。このアイルランド提案、ヒジョーに人気が高い(たとえばGPは公式サイトでRMS完成に反対しているが、星川氏個人は著書の中で高く評価している)のですが、大本営だけは反対しているようです(「他国の無理解にその責任を押しつける形で!」)。基本的に一枚岩の捕鯨推進派に亀裂が生じるとしたら沿岸捕鯨業者と水産庁の間でしょうか。

「我々は一人の英雄を失った。これは敗北を意味するのか?否!始まりなのだ!
捕鯨支持派に比べ我がGPの支持率は30分の1以下である。にも関わらず今日まで戦い抜いてこられたのは何故か!諸君!我がGPの目的が正しいからだ!
一握りのエリートが南極で調査捕鯨を開始して20年、地球に住む我々が中止を要求して、何度踏みにじられたかを思い起こすがいい。GPの掲げる、捕鯨阻止のための戦いを、神が見捨てる訳は無い。
GPの職員、諸君らが愛してくれた佐藤潤一は逮捕された、何故だ!
(窃盗だからさ!)
戦いはやや落着いた。諸君らはこの戦いをコップの中の嵐と見過ごしているのではないのか?しかし、それは重大な過ちである。捕鯨推進派は聖なる唯一の南極で調査捕鯨を永続化しようとしている。我々はその愚かしさを水産庁のエリート共に教えねばならんのだ。
佐藤は、諸君らの甘い考えを目覚めさせるために、逮捕された!戦いはこれからである。
我々の支持層はますます拡大しつつある。捕鯨推進派とてこのままではあるまい。
諸君の税金も、共同船舶の無思慮なお土産の前に浪費されていったのだ。この悲しみも怒りも忘れてはならない!それを佐藤は逮捕を以って我々に示してくれたのだ!我々は今、この怒りを結集し、捕鯨推進派に叩きつけて初めて真の勝利を得ることが出来る。この勝利こそ、鯨類全てへの最大の慰めとなる。
国民よ立て!悲しみを怒りに変えて、立てよ国民!GPは諸君等の力を欲しているのだ。
ジーク・GP!!」

 ガルマにぴったりの人物がいるのは大本営やSSじゃなくてGPなんだよな。。そういや我らがガルマはとっくに保釈されたはずだが、次のブログ更新はいつなんだろ。

(注)
アイルランド提案(アイルランド代表の名前からキャニー提案とも)の大まかな内容
1、改訂管理制度(RMS)の完成
2、現捕鯨国の排他的経済水域でのみ捕鯨を行う
3、鯨類製品の国際取引の禁止
4、致死的調査捕鯨の段階的廃止
5、ホエールウォッチングの規制

例えば、
石井先生の第1回PEW鯨類シンポジウムでの発言
http://www.iisd.ca/ymb/whales/

水産資源学者勝川先生のブログ
http://kaiseki.ori.u-tokyo.ac.jp/~katukawa/blog/2007/11/post_235.html

自滅した調査捕鯨
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20080521/1211359006

クジラを心おきなく食べるなら他国との軋轢を解消する必要がある。そのためには、調査捕鯨を止め、日本近海での観光を兼ねた付加価値つきの捕鯨に留めるべきだ。

など、アイルランド提案を評価したり、それに近い意見があります。 【“ガンダム風に”の続きを読む】

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中の人の声

ゲゲゲのゲーっ!!!と思ってしまいました。
Environmental impact of whaling
http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/rc20080803a6.html

これを書いた人はッ!!!この人じゃないのかッ!?

鯨は再生産可能の自然食資源 (日本鯨類研究所 1996年発行「捕鯨と21世紀」より)
三崎滋子 日本鯨類研究所 国際関係担当
http://luna.pos.to/whale/jpn_renew.html
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前頁に棒グラフで示した 漁業と捕鯨のエネルギー効率の比較 を見ても判るように、収獲物を得る為に費やす化石エネルギーを一とすれば、捕鯨のエネルギー効率は世界のさまざまな海域での漁業に比較して顕著に高い。即ち、鯨肉は食料として得られるエネルギーが非常に無駄がない。

と言っているがグラフに示されているのは沿岸捕鯨のデータだけではないか。沿岸捕鯨と南極捕鯨を意図的に混同させてんじゃないのか?南極に行くとどのくらいエネルギーがかかるんだよ?と思っていたのですが、その手の情報はネットでは簡単には手に入らないようです。今あるのはこれくらいなのでは。

遠洋調査捕鯨は地球にやさしくない・日新丸船団、CO2を4万tは排出か?
http://www.news.janjan.jp/living/0807/0807090629/1.php

 上の記事は断片的な情報から二酸化炭素排出量を推定したものですが、南極捕鯨は沿岸捕鯨とは桁違いのエネルギーをつぎ込むことになるのは間違いないでしょう。(あり得ないが)日本が捕るより、オーストラリアが捕鯨して肉を輸入する方が安上がりなのでは?今日本に供給されている大抵の食料ってこんなもの(つまり輸入した方が安上がり)ではないでしょうか。仮に、よく言われるように年間2000頭のミンククジラを南極海で捕獲できるとして、30を超えるIWC内の捕鯨支持国(このうち捕鯨を行ったことのある主な国は、日本、ロシア、韓国、アイスランド、ノルウェー、セントヴィンセント・グレナディーン。小さな国は確認できなかったが他にもいくつかあるだろう。またモンゴルやマリといった内陸国もある)の中で日本の捕獲割当はどのくらいになるのか? 日本の南氷洋捕鯨は(多くても)数千トンの鯨肉にどのくらいのエネルギーをつぎ込むことになるのか? 具体的にどのくらい食料自給率が上がるのか? どの会社が南極で商業捕鯨をやりたがっているのか? 新しい統計情報によれば捕獲枠が半減するかもしれないのに産業として成り立つのか? こういった具体的な話になると反・反捕鯨という感情だけでは対応しきれないのでは。

 調査捕鯨をはじめて20年の月日が経っているので、当然ながら定年退職する鯨研の中の人というのもいるわけですね。これからそういう人たちの肉声を聞く機会もあるかと思います。このJapan Timesの記事は衝撃的すぎてなかなか考えがまとめられませんが、大本営発表につきあわされる鯨研の中の人が心配なのです。

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捕鯨の騎士団

God as Genetic Engineer
Carroll, Science 316: 1427-1428 (2007)
40-01carroll.jpg
 上の記事は「進化の闘士」ショーン・キャロル教授がID論者マイケル・ベーエ教授の本「The Edge of Evolution」を書評したものです。こてんぱんにこき下ろした後、ID論者をモンティ・パイソンの黒騎士になぞらえてこのように結ばれています。
http://www.youtube.com/watch?v=2eMkth8FWno

The knights of ID may profess these blows are "but a scratch" or "just a flesh wound," but the argument for design has no scientific leg to stand on.


 捕鯨推進側の主張で科学的に妥当と思われるのは「南極のクロミンククジラはある程度捕鯨可能である」という点ですが、これだけでは捕鯨反対派は納得しないわけです。東北大の石井先生は「僕は『どういう科学が、外交に影響力を与えることができるのか』を追求したいんです。」と述べていますが、「クロミンククジラの資源量がある程度豊富である」というだけでは有効な切り札にはならないようです。一部の公園などで動植物の採取が禁止されているのと同じで、「手つかずの自然を残す」というのは「科学情報に基づく制御された開発」に対抗する充分科学的な理由たりえると思います。「ある程度取っても生態系に影響しない」ことを科学的に示しても決定打にならないのです。公園などで動植物採集が認められるのは研究目的などの場合が多いと思いますが、その最たる例はガラパゴス島でフィンチを捕殺した研究でしょう。

The calmodulin pathway and evolution beak morphology in Darwin's finches
Abzhanov et al., Nature 442: 563-567 (2006)

 実験方法はこのようなものだそうで。

Collection and treatment of embryonic material from Darwin's finches.
Under an agreement with the Galapagos National Park, we received quotas for collecting embryos of G. magnirostris, G. fortis, G. fuliginosa and G. scandens from Santa Cruz Island, and G. conirostris, G. difficilis and C. olivacea from Genovesa Island. To avoid causing nest defection, only the third egg was collected shortly after it was laid; it was then incubated at 100 ˚F (37.8 ˚C). Embryonic material was fixed in 4% paraformaldehyde in PBS for 2 h at ambient temperature and stored in RNAlater reagent (Ambion) at about 5 ˚C for two to five weeks. Chick antisense riboprobes (CaM, Coll IX, Runx2 and PTHrP-Rec) were prepared and used on Darwin's finch embryos as described previously. We analysed 26 heads of Darwin's finches: large ground finch (n = 3), medium ground finch (n = 5), small ground finch (n = 4), large cactus finch (n = 4), cactus finch (n = 3), sharp-beaked finch (n = 3) and warbler finch (n = 4).


 仮にこの研究に動物愛護団体が文句をつけたとしたら、多くの専門家が弁護を買って出て、この研究の正当性について説明するでしょう。嘴の形態形成に関わる遺伝子の機能を証明するためには捕殺しなければならないのです。そして捕殺に見合う成果はあげています。でも、これと同じ方法で個体群にダメージを与えないよう採集するから食わせてくれと申請したらダメだしされるでしょうなぁ。

 南極捕鯨の場合、一定の科学的妥当性だけでは相手を説得するのに不十分なわけですが、墓穴を掘ったのは国営疑似商業捕鯨に他ならぬ「調査」捕鯨でした。調査捕鯨は商業捕鯨に必要なデータを集めることを目的としていると言っていますが、
1:調査目標の設定は妥当か?
2:手段は適切か?
3:充分な成果は得られているか?
上記三点いずれも、科学者が検証すれば落第でしょう(注)。かのドーキンスも調査捕鯨に疑義を唱えたそうで。別にドーキンスじゃなくても普通に科学の訓練を受けた人間なら調査捕鯨を弁護しろといわれれば降参するしかありません(何か特別の事情でもない限りは)。日本は科学的な適切さすら自らの手で減じてしまったのです。ドーキンスらが名を連ねたニューヨークタイムズ紙上(2002年5月20日付だそうです)の公開質問状がJapan Timesに部分的に抜粋されています。他にロジェ・ギルマンアーロン・クルーグアラン・マクダイアミッドエドワード・オズボーン・ウィルソンも名を連ねています。

Scientists petition Japan to lay down harpoons
http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/fe20020523sh.html

An open letter to the government of Japan

Despite its obligation to comply with a global moratorium on commercial whaling, Japan has killed thousands of whales over the past decade, claiming an exemption for "scientific whaling" under international law. We, the undersigned scientists, believe Japan's whale-research program fails to meet minimum standards for credible science. In particular:

We are concerned that Japan's whaling program is not designed to answer scientific questions relevant to the management of whales; that Japan has refused to make the information it collects available for independent review; and that its research program lacks a testable hypothesis or other performance indicators consistent with accepted scientific standards.

Most of the data being gathered by Japan's "scientific whaling" are obtainable by non-lethal means; it is possible, for example, to determine species, gender, population size, migration patterns, stock fidelity, and other key biological information without harming whales. . . .

The commercial nature of Japan's whaling program conflicts with its scientific independence. Japan sells meat from the whales it kills on commercial markets and assigns "scientific whaling" quotas to individual whaling villages. These commercial ties create a profit incentive to kill whales even when no scientific need exists . . .

Japan has announced it will soon begin killing sei whales, an internationally listed endangered species, ostensibly to determine the whales' diet. . . . There is no reasonable likelihood that killing additional sei whales now will add to what is already known about their diet.

By continuing to fund and carry out this program, Japan opens itself to serious charges that it is using the pretense of scientific research to evade its commitments to the world community. As scientists, we believe this compromises objective decision-making and undermines public confidence in the role of science to guide policy. Accordingly, we respectfully urge the Japanese government to suspend its "scientific whaling" program.

Sincerely,

[21 individual scientists]


 日本政府はこれに答えたのでしょうか。私にはこの批判が文化的バイアス ーすなわち欧米と日本のクジラ観の違いー だけで片付けられるものとは思えません。捕鯨の黒騎士は調査捕鯨に対する数々の科学的批判にあれこれ屁理屈をこねているが、そもそもよって立つ科学的な脚が無いのだ。

(注)
とりあえず私の調べた範囲で回答
1:調査目標の設定は妥当か?
 第一期南極海鯨類捕獲調査(JARPA)の目標の一つである「年齢別自然死亡率の推定(1,2)」は当初から達成の見込みが薄かった(3,4)のに加え、その必要性も疑問視されていた(4)。改訂管理方式(RMP)が完成した現在、この情報は商業捕鯨に必須ではない。さらに第二期JARPAの目標「生態系モデル構築」は商業捕鯨の要となるRMPとの整合性に欠けると指摘されている(5,6)。つまり「生態系モデル構築」は商業捕鯨再開に必要でないばかりか、余計な遠回りにしかならない。
2:手段は適切か?
 非致死性調査手段はいくつか開発されている(7,8)。また、日本の調査捕鯨に同情的なノルウェーの学者も大量捕殺の必要性についてはコメントを避けている(9)。調査捕鯨についての規定である国際捕鯨取締条約第8条を起草したIWC初代議長は調査捕鯨の捕獲頭数を10頭未満と想定していたといわれている(9)。60年前、まだ分子生物学も人工衛星もなかった時代の科学者ですら科学研究目的の大量捕殺の可能性など考えもしなかったということである。
3:充分な成果は得られているか?
 充分な予算と年月をかけたプロジェクトとしては乏しいといわざるを得ない(9,10,11)。設定した調査目標も達成できていない(12,13)。

1. Nagasaki, Nature 344: 189-190 (1990)
2. 大隅清治「クジラと日本人」岩波新書 (2003)
3. Sakuramoto & Tanaka, Rep. int. Whal. Commn 39: 371-373 (1989)
 参考 http://www.kaiyodai.ac.jp/Japanese/db/0010/0210/TH_40803814.html
4. de la Mare, Nature 345: 771 (1990)
 参考 http://kkneko.sblo.jp/article/17287129.html#comment
5. Ishii & Okubo, Journal of International Wildlife Law and Policy 10: 55-87 (2007)
 参考 www.greenpeace.or.jp/campaign/oceans/whale/documents/evidence12-2
6. http://kaiseki.ori.u-tokyo.ac.jp/~katukawa/blog/2007/11/post_237.html
7. Jarman et al., Molecular Ecology 11: 2679-2690 (2002)
8. Iverson et al., Ecological Monographs 74: 211-235 (2004)
 参考 http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20080122/1200991642#c
9. Morell, Science 316: 532-534 (2007)
 参考 http://3500131221.blog120.fc2.com/blog-entry-28.html
10. Gales et al., Nature 435: 883-884 (2005)
11. http://chikyu-to-umi.com/kkneko/frame7.htm
12. www.whalelove.org/raw/content/fun/1677143.pdf
13. 石井敦『科学』岩波書店2008年7月号: 704-705 (2008)
 参考 http://3500131221.blog120.fc2.com/blog-entry-33.html

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フランス


フランスの農村部です。村と畑と森というヨーロッパ民話の面影をのこしています。

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