3500-13-12-2-1

ツーリングの記録等に使おうと思っていたが。。。タイトルは最初の記事の3500km, 13日, 12ヶ国, 自動二輪, 空冷単気筒の意。

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…それはありえない

 先鋒の金持ち小学生に引き続き、鯨類研究所のパンフレット「クジラの調査はなぜやるの?」の検証です。
http://www.icrwhale.org/04-B-l.htm

 まずは阪大の菊池先生による練習問題です。
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1126449378
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 かいつまんでいえば、テレビの普及率と平均寿命の伸びに相関が見いだされるが、これは因果関係ではないのでテレビが健康に良いということにはならない、ということです。それでは実戦問題。
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 クジラの頭数回復と漁獲の減少には相関があります。しかもクジラがある程度魚を食べるのは本当なので、この場合はゼロイチではなく因果と相関のどっちの割合が大きいのかが問題です。(それにしてもクジラの胃の中身を見せつけて漁業への影響を強調する手法、血に染まった海の写真を見せつけて「捕鯨の残酷さ」を煽る反捕鯨団体といったいどこが違うというのか?)
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 この場合まず検証しなければならないのは、

○ 海獣は比較的大型で呼吸のために浮上して来るので目立ちやすく、このため漁業関係者からは害獣という印象をもたれやすい
○ クジラは人間が利用しない空間のサカナを主に食べている可能性がある

参考文献
Must top predators be culled for the sake of fisheries?
Yodzis, Trends in Ecology and Evolution 16: 78-84 (2001) などより

あたりですか。パンフレットだけではこの辺はよくわからないので他の文献を探してみましょう。

Whales cleared of competing with fishermen
Global study declares suggested culls are unnecessary.
Amanda Leigh Haag
Published online 20 July 2004 | Nature | doi:10.1038/news040719-7

 ネイチャーのニュースがひっかかってきました。Daniel PaulyとKristin Kaschnerの研究によれば、海洋を18万の小区画に区切って漁業と海獣の分布の重複を調べたところ、海獣の消費する食料の1%未満が漁業海域と重なるエリアからによる、となったそうです。

“You can't use the argument that whales compete with fisheries. They simply don't eat the same food in the same areas” - Kristin Kaschner


 海洋全体でいうならこの結論は妥当でしょう。そもそも昔はクジラがもっといたわけですし。海域を絞ってみた場合、日本側はこのデータが日本とアイスランド周辺で海獣の分布と漁業が重なることを示していると主張していますが、PaulyとKaschnerは海獣が漁業に影響している可能性のあるホットスポットとして "the Benguela system off the coast of southwest Africa, where increasing populations of South African fur seals may affect hake stocks."などと言っているだけです。アシカやイルカが局地的に問題になる(イルカは本当に害獣なんでしょうか?)ことはあっても、クジラがグローバルに問題になるとは考えられていません。魚や海獣の回遊がどの程度考慮されてるのかはわかりませんが、日本周辺が競合領域であると考えてるのは今のところ鯨類研究所くらいでしょう。ニュースで紹介されたデータを含む論文はこれらです。

Modelling and Mapping Resource Overlap between Marine Mammals and Fisheries on a Global Scale
KASCHNER, Thesis (2004)

Mapping world-wide distributions of marine mammal species using a relative environmental suitability (RES) model
Kaschner et al., MARINE ECOLOGY PROGRESS SERIES 316: 285–310 (2006)

 論文中の図を見ると確かに、日本周辺は鯨類研究所の主張通りイワシクジラ、ニタリクジラ、ミンククジラとの競合領域のようにみえます。ただ、論文のデータは他のクジラやイルカも結構日本周辺にいることを示しています。特にどのクジラが何漁に脅威なのかという具体的な話は聞いたことがありません。そもそも近海にクジラが豊富だからこそ捕鯨を含むクジラ文化が日本で育まれたわけです。なぜ最近になって個体群が回復傾向にあるだけのクジラたちが漁獲減少の原因として目の敵にされているのか。仮に競合領域であった場合でもさらに

○ クジラは、商業利用されるサカナだけでなく、それらの捕食動物も食べている可能性がある。この場合、クジラは間接的に漁業をアシストしている面もあることになるので、クジラを間引いた結果、短期的に漁獲が増えても長期的には漁獲が減る可能性がある

といったことを吟味する必要があるわけです。付け焼き刃の資料収集ですが、クジラが漁業への脅威であることを示す有力なデータの存在については聞いたことがありません。専門家の多数は日本周辺のクジラの頭数の回復が漁獲を減らした主原因とは考えていない、ということでしょう。ついでにこれも比べておきますか。前回スネちゃまがこてんぱんにやっつけたのですが、毎度おなじみのクジラは人間の3~5倍の魚を食べているという話です。
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もう一つの図は
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Modeling and mapping trophic overlap between marine mammals and commercial fisheries in the North Atlantic
Kaschner et al., In: Fisheries impacts on North Atlantic ecosystems: catch, effort, and national/regional data sets 9: 35-45 (2001)

より。これは北大西洋に絞って漁獲と海獣による消費を比べたものです。北大西洋では1950年代にはクジラによる食害はずいぶんひどかったが90年代には軽減された、という話があればいいんでしょうけどね。。(著者らはこの図では漁業との競合がどうなっているのかはわからないとして、Fig.2以降で発展的な解析を行っている)

次。
「南極海にミンククジラは76万頭」
この数字は現在採用されていないようだ、とだけコメントしておきます。

次。
「シロナガスクジラの回復をミンククジラが妨げているって本当?」
これにはもう少し詳しい解説が外部にあります。

南極海のシロナガスクジラ資源はなぜ回復しないのか
http://luna.pos.to/whale/jpn_oh_blue.html
http://www.whaling.jp/isana/isana10.html

 シロナガスクジラが減った分ミンククジラが増えた、だからミンククジラを減らせばシロナガスクジラが回復する、という理屈です。確かに筋は通っていますが、他の可能性も考えられます。例えば、

○ ミンククジラを減らした場合、ミンククジラより繁殖力に優れる第三の動物が増える可能性 
○ そもそもシロナガスクジラ個体群が回復不能なまでにダメージを受けている可能性 など。

 どうしてこういった他の可能性を排除できる/低く見積もれるのか、これだけではよくわかりません。この話には続きがあるようです。

南極海で鯨類の調査をする必要性と新捕鯨構想
http://www.e-kujira.or.jp/geiron/ohsumi/1/#c1

どのぐらいのミンククジラを間引くと効果がありますか?
また,シロナガスクジラが回復すべき適正水準とはどのぐらいでしょうか?


魚拓

質問に対する具体的な答えはありません。。。例えば

Demography of the endangered North Atlantic right whale
Fujiwara & Caswell, Nature 414: 537-541 (2001)

では数学モデル分析の結果として、(実現可能かどうかは別としても)雌の死を年間2頭防げれば個体増加率上昇が期待できると予測しています。それに引き換え、この10年以上の間、一体何をやってきたのか?何の発展がこの「学説」にあったのか?シミュレーションすらやられていないのか。そもそもこの「学説」はパンフレットにあるとおり「広く受け入れられて」いるのか?

Observations of blue whales feeding in Antarctic waters
Corkeron et al., Polar Biology 22: 213-215 (1999)

はクジラの摂餌行動観察でこの説を検証できる可能性があると論じています。他のよく引用されている文献では

Baleen whales: conservation issues and the status of the most endangered populations
Clapham et al., Mammal Review 29: 37-62 (1999)

The contention that Blue Whale recovery in the Antarctic is being inhibited by prey competition from Minke Whales (e.g. IWC, 1994; p. 102) has little basis in existing data (Clapham & Brownell, 1996).


根拠薄弱とかなり疑問視されています。米国海洋大気圏局によるシロナガスクジラ回復プランの中には鯨類研究所のレポートがいくつか引用されていますが、ミンククジラを間引くという話は出てきません。

また、ご隠居(Holt博士は既に引退の身である)も

Whaling: Will the Phoenix rise again?
Holt, Marine Pollution Bulletin 54: 1081–1086 (2007)

This justification is based on spurious assertions that numerous and hungry whales threaten the world’s fisheries, and that the abundance and possible increase in some whale species is impeding the recovery of other, severely depleted, and potentially more valuable species such as the blue whale.


てな具合にばっさりです(spurious: 事実に基づいておらず誤っている、根拠がなく不確かな、正しく思えるが誤りである)。ミンククジラがシロナガスクジラを迫害しているという説は広く知られてはいるようですが、それを支持するデータがあって広く受け入れられているようにはみえません。

あとついでに、調査費用についてですが、パンフレットには


      致死性調査  非致死性調査
調査経費   小額で済む  多額の費用が必要


とあります。他のサイトでも同様の主張がされています。

http://luna.pos.to/whale/jpn_sci_oh.html
http://www.whaling.jp/qa.html#05_01

 クジラ肉を売って費用回収できるから調査経費が少額で済むという話は少し疑問ですね。そもそも費用回収という発想は自然科学系にはあまりないものです。獲得した予算で質の高い研究論文を出すことのほうが重視されるでしょう。さて、

A DNA-based method for identification of krill species and its application to analysing the diet of marine vertebrate predators
Jarman et al., Molecular Ecology 11: 2679-2690 (2002) 

では糞サンプルのPCR分析という非致死性調査法でピグミーシロナガスクジラなどの食べているオキアミ種の同定が行われていますが、考察の部分で致死性調査は高額で、時間がかかり、倫理的に許容されにくいと論じられています。

Lethal sampling, which is used for studying whale diet (Kato & Ichii 1991), is very expensive, time consuming and in many cases is becoming increasingly unacceptable for conservation or ethical reasons (Aron et al. 2000). It is not possible to identify morphologically the krill species in the faeces of penguins or whales, so our method provides a new noninvasive tool for identifying trophic links between vertebrates and krill. We have also successfully applied this method to identifying the krill components of fin whale (Balaenoptera physalus) and whale shark (Rhincodon typus) diet from their faeces. To build on our initial success with krill species detection, we are developing DNA-based methods to identify other animal groups such as squid and fish from DNA in the scats of marine predators. The results of this study and the small number of other similar studies (Hofreiter et al. 2001; Symondson 2002) suggest great potential for DNA-based species detection as a method for dietary analysis.


 その通り。だいたい捕鯨船一隻作るのにいくらかかるのか?解体作業の人員は?元手がなければ捕殺は出来ないし、高額の初期投資をしたら研究調査よりなによりまず第一に捕鯨ありきになるおそれがあります。

グリーンピースの資料の中に粕谷先生の証言がありました。

粕谷 俊雄 IWC科学委員 兼 帝京科学大学教授(当時)
『私は80年代に水産庁に在籍し、調査捕鯨計画の立案にかかわった。その際、我々に与えられた条件は「経費をまかなえる頭数を捕鯨でき、しかも短期では終わらない調査内容の策定」だった。今では、法の網をくぐるような調査捕鯨の発足に手を貸したのは、うかつだったと悔やんでいる。』
(2005年10月3日 毎日新聞より抜粋)


 肝心のJARPN, JARPNII, JARPAといった捕獲調査の内容についてですが、なぜ大規模な捕殺が必要なのかパンフレットを見てもよくわかりません。そもそも専門家の合意が得られていないのだから私が理解できないのも当たり前でしょう。この辺で今回の検証は終わりにしときます。しかしこのままでは鯨類研究所の中で反乱が起きるのではないかとすら思えてきます。

「必要のない捕殺データで論文を書くことを強制され、アクセプトされずに精神的苦痛を受けた」
「非致死性調査法の改良を研究したかったのにやらせてもらえなかった」
「トンチキな『学説』を支えるための屁理屈を書かされて精神的苦痛を受けた」

 ありえないかね?
PEW鯨類シンポジウム
より

現在の民営化の流れの中で、なぜ日本の捕鯨産業だけが今も国によって管理されているのかと疑問を提起し、捕鯨予算の7割がプロパガンダに使われ、環境省が意志決定の場から排除されており、日本の科学者には自分の仕事にほとんど裁量がないと指摘する声があがった。


 船場吉兆のニュースでこんなのがあったけど。『常態化していた食べ残しの使い回しに対し、「恥ずべきこと」という認識は調理場全体で共通していた。だが、改めることはできなかった。』
-=-=-=-=-=-=-=-
 いろいろ議論される日本の捕鯨が科学的側面から見ておかしいことを指摘しました。これ以外にも、政治・外交的側面からの分析や歴史・文化・社会的側面からの分析があり、いずれも通俗的な捕鯨像と現実との乖離を示しています。捕鯨に対して賛成/反対という分類はよく使われますが(ネイチャーの記事でもpro-whaling/anti-whalingという言葉が使われている)、捕鯨賛成派が「クジラの乱獲を望んでいない(これが嘘でないのはわかるが、捕鯨の実態やRMSについて熟慮していないのであれば浅はかな発言である)」のと同様、捕鯨反対派の多くには抑制的捕鯨容認の傾向が見られます。賛否といったゼロイチではなく、そこにはグラデーションが存在します。ついでにいうと、日本のクジラ文化をちょっと勉強したならシーシェパードのような感覚も(賛同しないまでも)理解は出来るようになります。成立の背景は違えども、クジラを殺すことを禁忌とする価値観は日本にもあったのです。聞いたところによると在日米軍への思いやり予算が年間2000億円とか。その1%でもクジラの研究予算にまわせばいいのに、と多くの研究者は思っていることでしょう。

日本に好都合なのは調査捕鯨の継続「捕鯨外交のまやかし」が指摘する不毛な論争の背景
http://www.news.janjan.jp/living/0802/0802120675/1.php
伝統と文化の緻密な再検証『捕鯨問題の歴史社会学』を読んで
http://www.news.janjan.jp/culture/0801/0801260643/1.php 【“…それはありえない”の続きを読む】
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テーマ:捕鯨・反捕鯨問題 - ジャンル:政治・経済

Hammerstein発Wollbach行き

ドイツ、シュバルツバルトのあたりでは観光客向けに蒸気機関車が運行しています。この日は途中から雲行きが怪しくなってきたので早々に退散。
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大きな地図で見る

告発の行方

役得は許すけど
http://blog.goo.ne.jp/rebellion_2006/e/03bff5014ed2fe1d575896951a66d7d4

ちなみに鯨より頭の悪い人にとっては、問題は鯨肉の私的な持ち出しにではなく、NGOの調査手段の方にあるそうです。


 銀行への資金投入とパンダの賃貸料、諫早湾干拓と調査捕鯨など、色々大きなほうの問題を見落としがちな身としてはなんとも耳の痛い台詞ですが、奇矯な行動という印象は拭えません(警察だって違法な捜査で得た証拠は採用されないだろ)。タレコミがあった時点でもっと公的な権力を介入させることは出来なかったのでしょうか。しかしながらグリーンピースのスタンドプレーの影に隠れてしまった内部告発のレポートに目を通してみるとなかなか面白い。
http://www.greenpeace.or.jp/

 現場の人間が職場のリソースを少し私的に利用することや、法的にグレー(時に真っ黒)なことをするのにはある程度寛容であるべきと思いますが、

告発者: 家でただ食べるだけだったらそんな量いらないですよね。だから、あの、それぞれが、10年、20年乗ってる人はもう地元とか、その辺の市場に売りさばいてるって感じですね。


これが本当だとしたらちょっとやりすぎじゃないかね。

調: それはほぼ毎日のように7トンくらいの肉が捨てられてると
  いうことですか?
情: そうですね。20頭以上あがった時には間違いなく捨てますね

 * * * (略) * * *

調: もうかなり無駄にしているという感じですか?
情: もう調査捕鯨でなく、商業捕鯨みたいな感じですね。


 まぁ、末端の人間の規律違反を叩いてもあんまり意味はないと思いますが、「調査捕鯨」でこの有様。商業捕鯨に根強い抵抗があるわけだぜ。「調査捕鯨」は法律的にも議論のわかれる部分があります。

欧米から悪者扱いされる日本の調査捕鯨
http://www.amakiblog.com/archives/2008/01/23/#000684

実は日本の捕鯨の最大の弱点は、調査捕鯨であると称して商業捕鯨を行っているという事実である。この事は外務省条約課長自身がこれを認めている。条約違反を続けなければならないほど捕鯨は国益なのか。


 この天木さんという人が9.11陰謀論を信じているらしいのはうんざりですが、条約違反という判断はこの人自身の判断ではないので信頼性はあると思います。商業捕鯨を禁止した南大洋鯨類サンクチュアリーに関して、捕鯨推進派はその法的有効性を認めていませんが、国際法の専門家で水産庁に同調しているのはここに出てくるBurkeという人だけのようです。

 鯨類シンポジウムでは英国政府代表が現在の捕鯨は合法と明言しつつ、調査捕鯨中止の可能性に言及しています。また鯨類学の重鎮Baker先生もIWCの許可に基づいて捕鯨は行われていると述べています(Science 265: 1538 (1994), ただしこの論文は日本市場で違法なクジラ肉が出回っている可能性を指摘している)。一方で、東北大学の石井先生は新聞紙上で「オーストラリアは法的措置を検討しており、確かに一部の調査捕鯨がワシントン条約などに違反している可能性がある」と述べています。

 法的にグレーだから論文がアクセプトされないのか?法的に許容されないが、やっている研究のレベルは外人に理解できないほどすごいのか?実のところ鯨類研究所は控えめに言って「実力未知数」です。ネイチャーやサイエンスなどのトップジャーナルでは鯨類研究所の「研究成果」は全く無視されています。よくいわれる「南半球のミンククジラ76万頭」という話も出てきません(重鎮Baker先生によるレビューでもガン無視)。ちょっと論文を漁ったくらいでは日本の「調査捕鯨」の成果がなんなのかさっぱりわかりません。これでは外人が日本の捕鯨の「正当性」を「理解」できないのも当然です。当然すぎます。

 鯨類シンポジウムでの、「海獣の守護者」粕谷俊雄先生の発言です。

また、日本の調査捕鯨はICRWを誤用しており、科学者や政府、捕鯨産業を腐敗(corruption)させるものであるとし、日本の調査捕鯨を終了させるよう提案した。さらに、現在、日本鯨類研究所に務める科学者に対して新たな雇用先を提供し、オープンに情報にアクセスでき、研究の機会が得られるようにすることを提案した。


 この発言から受ける私的な印象ですが、まともな研究機関とは思えません。国内の研究者による紹介を読むとまともな研究所っぽいんだけどなぁ。今回のGP騒動の発端は内部告発だったそうですが、そのうち鯨類研究所からも内部告発が起るんじゃないかと思ったり。少なくとも科学者としてはこの状況ではやってられませんな。

グリーンピースに好意的なところなど。

悪あがきは続くよ、どこまでも
http://blog.goo.ne.jp/civil_faible/e/e6927a3c9c2a7be9e6e3e3df7d9b9342

もし世界が鯨関係業界だったら…な?んてね:グリーンピース鯨肉横領告発の正義
http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/83f12a94064a4c2971df86d655681d8b

スネちゃま捕鯨を語る

Q1

 調査捕鯨の科学的評価ってどうなってるの? 
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      __, - 、
.    /, ─── 、)
   //  /    ヽi
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   (     ⊂⊃ ヽ         
   >、   \__ノ ノ  .nm━・~~~   
  /  \─── ´ヽ、 /)- |    
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 |      /   |  ||       
 !    /     ノ   |       
 `iヽ__ノ━━━━ヽ、__ノ       
  ヽ、     |^ヽ、__ノ  

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    \    ───___
    <             ̄ ̄ ̄ ̄.|
    > _________     |
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        | ヽ.__ノ  ヽ._ ノ   .レ⌒ヽ    
       ノ   o          6 .|     
      /_______ノ   _ノ    
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        ヽ 、___   .イ        
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 調査捕鯨をやっているのは財団法人の鯨類研究所だね。調査捕鯨の結果は科学誌の最高峰であるネイチャーやサイエンスに論文が掲載されたこともなければ、専門家に多く引用される論文があるわけでもなし。ウェブサイトのQ&Aなんかでは「科学者に高い評価を受けている」と言ってるけど、実際には鯨類学者のほとんどは調査捕鯨の結果を高く評価はしていないよ。たとえばね、

Modelling the past and future of whales and whlaing
Baker & Clapham, Trends in Ecology and Evolution 19: 365-371 (2004)

は将来の商業捕鯨再開の可能性に言及しつつ主にクジラの現状をレビューした論文なんだ。ところがこの中で、鯨類研究所の調査捕鯨の成果はまったく引用されてない。言及する価値なしと見なされてるんじゃないかな。とどめはNature 435: 883-884 (2005)に鯨類研究所以外の日本人研究者(粕谷俊雄氏、後述)を含む4人の専門家による調査捕鯨批判が掲載されたんだ。その中でも調査捕鯨の学術的成果の乏しさが指摘されているよ。鯨類研究所はこれに反論をしたんだけど、第三者的な科学者で鯨類研究所の弁護にまわった人はいないみたいだね。現在トップジャーナルに掲載されるクジラの研究論文ではクジラを殺したりなんかしていないよ。こういったことから見ても科学研究のためにクジラを殺す必要があると考えている専門家は相当少数派だろうね。まとめると、調査捕鯨の科学的成果は控えめに言ってもあいまい、もっとはっきり言えば科学の僭称ということだね。

Q2
   _,,,......,,,
  ,,,''"    ゙''''丶
  i;;:::::ハ,:::::ハ、::::ハ ノ
 !:::::ノ-lノ ノ'"- l/   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 r、|  イ゚j`  'l゚j`l  < ずいぶん異常な評価を受けているのね。
 、_:  `  ' ` ノ  │ ところでスネ夫さん、ふえすぎた鯨が
  >、 丶フ /i:\ │魚を食べ尽くすというのは本当かしら?
  l /`i -'イ   W  \_______________
  W /\/ /⌒ヽ
   /l./\/    ヽ
   l          \

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        | /⌒ヽ  /⌒ヽ  .|   .|   
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        | ヽ.__ノ  ヽ._ ノ   .レ⌒ヽ   
       ノ   o          6 .|   
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        ヽ 、___   .イ       
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 海域をものすごく限定すればイルカがイカ漁の邪魔になったりするという話はあるね(追記:こちらもご覧下さい)。けど地球全体の海について「鯨を間引くことでその分人間が魚を利用できることは間違いありません」なんて言ってるんだからとんだニセ科学だよ。マトモな生態学者はそんな単純な断定はしないさ。たとえばね、

Must top predators be culled for the sake of fisheries?
Yodzis, Trends in Ecology and Evolution 16: 78-84 (2001)

はまさに海洋生態系での害獣駆除が漁業にとってプラスになるかどうかを論じたものなんだけど、その中でどう言われているかというと、

○ クジラは人間が利用しない空間のサカナを主に食べている可能性がある
○ もしクジラがサカナ泥棒だというなら、クジラから見れば人間がサカナ泥棒であり、高度に機械化された漁業がクジラの生存を脅かす可能性がある
○ クジラは、商業利用されるサカナだけでなく、それらの捕食動物も食べている可能性がある。この場合、クジラは間接的に漁業をアシストしている面もあることになるので、クジラを間引いた結果、短期的に漁獲が増えても長期的には漁獲が減る可能性がある

とまぁ、こんな感じなんだ。勿論、間引くことに意味がないとも断定していないけど、それが科学者としての誠実な態度なんだよ。あとついでにね、

Rapid worldwide depletion of predatory fish communities
Myers & Worm, Nature 423: 280-283 (2003)



Impacts of biodiversity loss on ocean ecosystem services
Worm et al., Science 314: 787-790 (2006)

は世界的な漁業不振についての論文だけど、クジラが増えたからサカナが減っている可能性なんてこれっぱかしも言われてないよ。第一、サカナを一番食ってるのはサカナなんだ。クジラが増えてサカナが減るなんて、相手にするのもバカバカしい話だね。
10-1


Q3

クジラが人類を救う貴重な食糧になるって聞いたんだけど、
世界の飢餓をクジラはすくえるのかな?
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          \ /

      , ──── 、
    ゝ/ _______ヽ
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  , ─i 、    ヽ __ o__ ノ  ヽ   
  !  `-、          |   )   
  \   ヽ、   ──┘ ノ /    
    \   \二二へ二ヽ/    
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       ノ   o          6 .|     
      /_______ノ   _ノ    
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        ヽ 、___   .イ        
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 最盛期の南極捕鯨では年に16000BWUのクジラがとられていたんだ。これを全部食肉に利用しても150万トン未満だね。今の日本の年間牛肉供給量をちょっと上回るくらいだよ。この乱獲の結果、南極のクジラは激減したんだから、実際に持続的に利用できるクジラ肉はもっと少ないことになるね。鯨類研究所の発表では現在南半球にミンククジラは70万頭以上いて年間2000頭は利用できるそうだけど(鯨類研究所のこの数字に疑問を呈する専門家もかなりいるよ)、ミンククジラ2000頭の肉なんて1万トン未満だよ。世界の飢餓人口は8億とも8億5千万人とも言われているけど、これに日本人を加えて約10億人がクジラを食べるとすると、、、まぁ、あとは小学生でもわかる計算だよ。あと、南極まで行って捕鯨するのにいくらお金がかかるか、そんなお金を飢餓の国が出せるのか、というのもブルジョワのぼくとしては問いたいところだね。本気で飢餓を救おうとするならまずは先進国が肉食を減らすのが一番合理的だよ。
http://www.whalelove.org/whales/facts/fact3

Q4

クジラを乱獲したのは鯨油だけとっていたアメリカだろ!日本は昔からクジラを余す所なく利用していたんだ!日本は何百年間も捕鯨を続けてきたのに、よその国の価値観でその伝統文化を不当に抑圧されているんだ。別に絶滅危惧種をとろうといってるわけじゃないんだ!
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 はぁ?。うんざりする俗論だね。それ間違いだから。恥ずかしいからよそでそんなこと言わないでくれよ、ジャイアン。19世紀の中頃にアメリカの捕鯨が日本の沿岸捕鯨にダメージを与えたのは本当だけど、いま特に批難されているのは日本の南極海での捕鯨なんだ。南極海の商業捕鯨では日本も鯨油だけとって残りを捨てたりしてたんだよ。おまけに南極乱獲四天王は日本、ノルウェー、英国、ソ連なんだ。20世紀のはじめに各国がこぞって参加して乱獲競争を繰り広げた結果クジラが激減したので、みんなもうやめようぜ、というのが南極の捕鯨なんだ。これについて乱獲四天王の日本に何か特別な権利があるとは思えないね。この辺は「捕鯨問題の歴史社会学」という本に詳述されているようだけど、グリーンピースの資料に引用されているので、こっちの方が手に入りやすいかもね。
http://www.whalelove.org/whales/facts/fact5

あと絶滅危惧種にちょっと関係あるけど、こんな記録があるのをキミは知っているのかい?

Genetic tracking of a protected whale
Cipriano & Palumbi, Nature 397: 307-308 (1999) より

名前 #26 
性別 雄(ただし不妊)
略歴 1965年 シロナガスクジラの母とナガスクジラの父の間に生まれる
   1989年 アイスランドによる捕鯨で殺害される(6月29日Hvalfjordur付近)
   1993年 食肉として大阪で発見される(69gで538円なり)

絶滅危惧種どころじゃない、貴重な種間雑種個体を殺した挙句に食ったんだよ。普通、希少動物を使った違法製品は税関で没収されるもんだろ。こんな事があったんじゃ捕鯨に風当たりが強くなるのも当然だよ。断っておくけど僕だって貴族のたしなみとしてスポーツハンティングを楽しむこともあるから、クジラを殺すこと自体に倫理的な疑問を感じているわけじゃないよ。

Q5
      _____
    /    - 、 - 、\
   /    , -|  ・|・ .|-ヽ  反捕鯨団体とかの言うことは
    i  /  ` - ●-′ |    どう受け止めればいいの?
.   |  i   三  |  三 |   あと、商業捕鯨は結局どうなわけ?
   | |.   __|____)   
   ヽ ヽ /      /
     ━━━━o━━
.    |   /     ヽ |
.    |   /     ヽ |

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        | | ● |  i ●  |  |   |    、
        | ヽ.__ノ  ヽ._ ノ   .レ⌒ヽ    
       ノ   o          6 .|     
      /_______ノ   _ノ    
      \             ノ      
        ヽ 、___   .イ        
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 相手の言うことがいくら変でも、軽々しい全否定は出来ないね。相手が間違っているからといってこっちが正しいことにはならない、こっちが間違っていても相手の正しさの証明にはならない、くらいの心構えできちんと相互の意見を検証することをお勧めするよ。専門家の間で意見が一致しているのか、それとも専門家の中でも議論が別れているかを調べるのが判断のポイントだね。

 商業捕鯨に関しては、鯨類研究所の人が書いた「クジラと日本人」(大隅清治、岩波新書)の終わりの方に興味深いエピソードがあるよ。捕鯨華やかなりし頃、捕獲量を減らす必要を訴えた科学者である筆者は、捕鯨会社の取締役から「税金泥棒!」と罵倒されているんだ。工業製品の増産の工夫と違って、野生動物を資源としている以上、増産=乱獲だろうね。

鯨類シンポジウムでは専門家の興味深い発言があるよ。
http://www.iisd.ca/ymb/whales/pew2/30janj.html
シンポジウムの概要についてはこの記事。
http://www.news.janjan.jp/world/0802/0802020068/1.php


鯨類科学者の粕谷俊雄氏は、日本の捕鯨の歴史について説明し、現在の行き詰まりは利用可能な唯一の組織たるICRWが時代遅れとなってしまっていることになると指摘した。また、日本の調査捕鯨は科学的な価値があいまいであると指摘し、成長が遅く繁殖率も低い大型鯨類を年間1000頭近く捕殺していることに対する倫理観を問うた。また、粕谷氏は、日本人の大半がICRWの抜け穴を利用することに寛容であるため調査捕鯨を受け入れているのだと述べたが、日本には商業捕鯨は必要ないと主張した。

粕谷氏は小型鯨類の漁業は中止すべきであると論じたが、その根拠として、現行の管理体制では透明性が欠如していること、検査および統計データが不十分であること、漁業方式が社会構造やクジラに係る文化的多様性を損ねるものであるということ、また安全なハクジラの管理体制というものは存在しないからという点を挙げた。また、日本の調査捕鯨はICRWを誤用しており、科学者や政府、捕鯨産業を腐敗(corruption)させるものであるとし、日本の調査捕鯨を終了させるよう提案した。さらに、現在、日本鯨類研究所に務める科学者に対して新たな雇用先を提供し、オープンに情報にアクセスでき、研究の機会が得られるようにすることを提案した。


 粕谷先生はそれこそ日本の伝統と言える沿岸捕鯨についても厳しいね。これは多分彼が、沿岸捕鯨基地で1960年代から70年代にかけて捕獲記録のごまかしがあったことを見つけた人だからなんだ(2008年9月23日、訂正あり。追記をご参照下さい)。前掲のBaker & Clapham (2004)にも引用されているよ。沿岸捕鯨についてシーシェパードなんかにとやかく言われたくないけど、商業捕鯨についてはかなり厳しい規制が必要だろうね。 【“スネちゃま捕鯨を語る”の続きを読む】

テーマ:捕鯨・反捕鯨問題 - ジャンル:政治・経済

バカにつける薬

Ferette - Lucelle - Ferette ツーリング

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Lucelleからフランス-スイス国境沿いを走る人気のツーリングコース


Feretteへの道


フランスの田舎道はのんびり走れるので色々考え事などできます。Feretteで昼食後にみた旗などから帰りの道すがら考えたことなど。
14-2ferette


FeretteからBaselへ


 科学史家でもあるグールドは、現在から見ると奇妙な説だが当時としてはそう考えるのに十分な理由があった話をいくつかあげています。例えば精子の中にホムンクルスが入っているとする発生学の前成説など。当然現在の我々もこのような間違いをしている可能性がありますので、過去を素朴なマヌケ共の国とみなすことをグールドは強く戒めています。

 ところで適切な判断力は生活上の助けになります。「この水晶の印鑑を買うと…」とかいう話に思考力を割くより、自動的にシャットアウトした方が脳力(のうぢから)の節約になります。

 なぜ日本人が捕鯨で結束するのか考えると、報道されるのは学術団体ではない環境保護団体による反捕鯨活動ばかりであるため、環境保護団体の言うことよりは鯨類研究所の言う事に重きをおくという至極真っ当な判断の結果であると思われます。そこには十分な理由があります。が、いったん自動的に捕鯨に反対する意見をシャットアウトしてしまったが最後、マトモな批判であっても相手の言っていることはは全く耳に入らなくなり、挙句の果てに捕鯨推進論は珍説奇説俗説の集合体となりはてたのです。
whalelove

 写真のようなグリーンピースのメッセージがなぜ我々日本人の心に響かないのかというと、(極めて最近捏造されたものとはいえ)ナショナルプライドである捕鯨について外人にとやかく言われたくない、という反発を感じるからではないかと思います(少なくとも私はそう感じます)。意見が対立したとき、普通は双方の理非を検証するものですが、ここでは検証過程は自動的にスキップされます(相手の言っていることは非科学的だという思い込みによって)。こういった判断力は大抵の場合人生の役に立つものですが時に誤作動します。

 ここから先はファイナンシャルタイムズの記事から受けた印象だけで書いています。チベットとか現代中国とかはよく知りません。
訳文:http://news.goo.ne.jp/article/ft/world/ft-20080325-01.html
魚拓

 もし「中国が大好きなのにチベットへの政策にはがっかりしちゃう!」と中国人に言った場合どうなるかですが、たぶん彼らはこれを内政干渉としか受けとらないと思います(実際少数民族の一部は独立を求める過激派としてテロリスト規定されている)。反捕鯨運動の中に文化帝国主義や人種差別が含まれているように、現在のチベット支援運動の1割か5割か9割は中国人への民族差別感情によるものです。「クジラを口実にした人種差別」と「チベットを口実にした民族差別」、「クジラは環境保護の御神体」と「チベットは人権尊重(と反中国)の御神体」。実に美しい相似形です。あっちの政府の検閲済みの報道では「チベット支援運動は急成長する中国を警戒する日本の右翼によるもの」くらいにしか報道されないんじゃないかな。ここでも意見の検証はスキップされます(相手の言っていることは差別に基づく不当なものだということにしたいので)。ちょうど、捕鯨に反対するのはクジラの知能が高いとかそういう非科学的な事を言ってる奴ばかりだ、みたいなものです。

 自衛隊を海外派兵するときに装備が議題になったのですが、「投石してくる暴徒に対抗するのにそれなりの装備が必要」とかいう意見をネットで見かけました。新聞をあさればもっと身元の確かな人の意見としても同様のものがあるかもしれません。だったら人民解放軍もチベットの「暴徒」に対してそれ相応の装備で臨んでいるわけですね。中国の多数派の認識としては「テロリスト相手に自分の身を守って何が悪い」みたいなもんじゃないでしょうか。イスラエルとパレスチナの関係みたいに。

 ダライ・ラマも言うとおり、チベットの高度な自治の獲得は中国人の支援なくしては出来ないものです。中国以外のコンセンサスが出来上がっているフリーチベットのデモを中国以外でやったところで、捕鯨反対の自己満足デモくらいにしか思われないでしょう。こういう意思表示が無駄だと思いたくありませんが、肝心なのは中国人を味方につけることであり、それについて成功しているようには見えません。目指すはチベットの利益(ひいては中国全土での自由)であり、共産党政権の利益/不利益は二の次です。外人の反捕鯨キャンペーンが無駄どころかかえって逆効果である事を知る身ならば、もうちょっと頭のいいところを見せて欲しいものです。以下参考になりそうな記事など。

嫌中的なアプローチはチベットの利益にならない
http://d.hatena.ne.jp/sivad/20080403

在外中国人に期待したいこと
http://d.hatena.ne.jp/good2nd/20080428

世界がいくら人権を叫んでも、中国は「国の安定」を最優先する
http://diamond.jp/series/chinabiz/10012/

 環境保護団体はいかに無駄な反捕鯨キャンペーンをしてきたのか。示威行動をするだけでは日本人を説得できないということに途中で気がついたはずですが、それでも続けたのはそれで寄付金が集まるからでしょう。チベットについてデモをするだけでは無駄ですが、その無駄がなぜ続くのかというとそれは
 
 おっと、もうガレージについたぞ。


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